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「んん……」
目ぇ閉じてるのに眩しくて寝返りを打ったら
そこにあるはずやったあったかいのがなくなってるような気ぃして
自然と目が覚めた。
「あれ、」
見覚えのない壁、家具、ベッド、
やけど
大好きな匂いがする部屋。
ぼんやりしてたらドアが開いて、
結「あ、大晴くん起きた？」
部屋着姿のユキさんが微笑んでベッドに近づいてくる。
「いま、何時……？」
結「もうお昼だよ、よく寝てたね」
俺のぼさぼさ髪を撫でながらベッドに腰かけたユキさんと目が合う。
ふふ、かわえぇなぁ。
このままちゅーしたいなぁ。
理性ゼロのまんま手を伸ばしたら
やらかいほっぺを撫でてそのまま抱き寄せる。
じっとしてるユキさんの腰に腕を回して抱きついたら、
ユキさんの腕が、遠慮がちに俺の背中に回って。
結「……やっぱり、
大晴くんに抱きしめられると気持ちいい、」
「そぉなん？あんま言われたことない、」
結「いいよ。そう思ってるのは私だけなら、それでいいよ」
「じゃあ、ユキさんがひとり占めしてえぇよ、」
結「うん、……今だけ、ひとり占めしたい」
あったかい空気に包まれて
しばらく黙って抱き合って。
目を閉じたら気持ちよくて、もう一度寝てまいそうなくらい幸せで。
「ユキさん、好きやで」
見えてへんけど自然と唇が重なった。
あぁ、もう夢みたいやんな……
……
…
結「……くん、大晴くん？」
「ん、んん……？まぶしっ、」
目を開けた瞬間、太陽光が飛び込んできて目が眩む。
開けられたカーテンから見える天気は見事に晴れてた。
結「よく寝てたね(笑)もうお昼だよ」
「んぇ？……あれ、」
なんやろ、めっちゃ幸せな夢を見てた気ぃするのに。
唇に噛んだら、少し甘い。
あれ、何の夢見てたんやっけ。
結「お昼ご飯、パスタ作ったけど食べる？」
「食べる、」
結「ふふ(笑)それなら顔洗っておいで」
笑ったユキさんに頭を撫でられて首を傾げながら顔を洗う。
結局、パスタ食べてる時も
帰り支度してる時も
玄関で「お世話になりました」って言うてる時も
なんの夢見てたかは思い出せなくて。
結「じゃあ、また大学で」
「ユキさん、」
結「ん？」
「あ……、何でもないっす。じゃ、また」
背中でドアが閉まった音を聞いて、もっかい唇に触れる。
夢やったんかな。
でも、もしかしたら
もしかして、
「まさかな、」
軽く唇を食んだら、雨上がりの階段を駆け下りた。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年10月22日 2時
