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スピーカーにして机の上に置いたら、
三角座りしたユキさんが膝に顔を乗っける。
結「正門、ちゃんと帰れた？」
良『おん、ずぶ濡れになったけどな。
一緒の連中から『正門家遠すぎ』って愚痴られてん(笑)
そら台風想定して部屋借りてへんって』
結「正門の家って歩いたら30分ぐらいかかるものね。
うちも大変だったから大丈夫かなぁって心配してたの」
良「ありがとぉ、ちゃんとお家に辿り着いたから安心してや」
結「うん、」
ほっとしたように笑ってるユキさん見て
まっさんにジェラシー感じずにはいられへん。
なんか隣の俺より電話のまっさんの方が距離近い感じしちゃうやん。
良『そういや大晴、Tシャツのサイズ足りた？』
「え、」
まさかまっさんからそれ聞いてくるとは思ってなくて
返す言葉に詰まる。
良『結城から「大晴くん着替えないから貸していい？」って
LINEあったから、俺は気にせぇへんからえぇよって返したんやけど。
あれ、別の着てた？』
「あ、いや、これまっさんのやって思うてへんくて、」
咄嗟に嘘ついてもうたら、けらけら笑う声がして、
良『あ、気づいてなかったん？あらら、墓穴掘っちゃった(笑)』
結「大晴くんごめんね。
正門の服嫌だったかも知れないけどそれしかなくて」
良『おい！俺の服をいやとか言うな！』
結「だって大晴くんと洋服の系統と違い過ぎるから、
本当に嫌だったら申し訳なくて」
良『部屋着なんて寝心地重視やんか！』
結「それはそうだけど」
うわぁ、あかん。
いけると思ったけど、この会話聞いててちょっとしんどいかも。
「ユキさん、ちょっとお手洗い借りてえぇっすか？」
結「うん、いいよ。
お風呂場の反対のドアね」
「あざっす」
リビングのドア閉めて廊下に出ても
ユキさんとまっさんの声はうっすら聞こえてきて、
ちょっと寂しい。
まだ手ぇ届かへんのかな。
まっさんには敵わへんのかな。
こっち振り向いてほしいのに。
考えたらいじけちゃいそうで、これじゃあかん！って
洗面所に入って顔洗ったら気持ちを入れ替える。
頑張れ俺、負けるな自分。
エリーから教えてもらった魔法の言葉唱えたら
気合い入れてリビングに戻る。
「あー、あとで髭剃ろっかなぁ。
どーせまっさん髭剃りの予備置いてんねやろ？」
良『えぇー、俺のお気に入りやのに』
「ユキさんに髭濃いって思われたないもん(笑)」
今、隣に居る俺も意識してよ、ユキさん。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年10月22日 2時
