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にこにこして髪を触ってるユキさんとの距離は近くて
俺ら、ほんまにカップルちゃう？って勘違いしそうになるけど、
俺が着てるんはまっさんTシャツな訳で。
えぇやろ？
受けたダメージ分くらいは甘やかしてもらっても。
「あと3回ぐらいワガママ聞いてください(笑)」
結「大きく出たね(笑)」
「だってドライヤーとデート1回じゃ釣り合い取れへんもん」
結「んふふ、そうだね？(笑)
じゃ、取りあえずドライヤーするから前向いて」
「よいしょっ」って後ろにあるベッドに座ったら
太腿までのショートパンツから伸びた白い脚が
身体を挟むように降りてくる。
え、ちょっと待ってや！
近すぎひん！？
結「熱くない？」
こっちのドキドキなんてお構いなしで
ユキさんは普通にドライヤーしてるし。
ご機嫌なんか脚ぷらぷらさせてるし。
見てまうよそんなん、男の子やもん。
あかん集中！
マジで下心削ぎ落さな、変な気起こしそうやし。
空手前にやってた呼吸法とか謎にやりながら
なんとかドライヤー耐えきったら
結「さらさらだね」
指先が髪の毛に触れる感触に
くすぐったくて首が縮む。
結「首弱いの？」
「どうやろ、今のはくすぐったかったです」
結「あらら、ごめんね」
そう言うくせに、撫でるのは止めへんって
ほんまズルいわこの人。
「ユキさん、」
結「んー？」
「ちょっと後ろに体重かけてえぇっすか？」
結「いいよ」
ベッドに寄りかかるように背中を預けたら上を向く。
髪を撫でてたユキさんと目が合ったら、
長い髪に手を伸ばした。
「ユキさんの方がサラサラやん」
結「そう？」
「えぇ匂いもするし」
さらって靡かせたら、いつもの甘い香りがする。
「俺とおんなじ匂いしてる？」
結「……自分じゃ、分かんない、」
恥ずかしそうに俯いたユキさん見て、
ちょっと満足。
あれ、俺って意外にSっ気あるんかもしれへんなぁ。
ニヤニヤしてたら
窓が急にばんばん！って叩かれるような音がして
電気が一瞬チカチカって点滅した。
結「……先に、ご飯の準備とかしようかな」
「……そぉっすね、手伝います」
忘れてた、でっかい台風来てるんやった。
急に現実に引き戻されてすごすごとキッチンに移動する。
2人で立つんは狭いからって
リビングでお野菜切ったり手伝ってたら、
菜箸でリズム取りながら味見してるユキさんが見えて。
なんか、新婚さんみたいやなぁって
また惚気モード発動中。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年10月22日 2時
