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「おじゃましまーす!もぉあかん!全身びしょ濡れや!」

結「私も。結局ずぶ濡れになっちゃったね(笑)」


雨が吹き込んでくるドアをバタン!って閉めたら、

髪から水ぼたぼた垂らした顔見合わせて

思わず2人とも吹き出してた。


「ユキさん、車に水バッシャー!ってかけられてましたよね?

 ジュラシックパークのラストばりに(笑)」

結「あれはしょうがないよ(笑)

 大晴くんだって大学出た瞬間、

 水たまり嵌ってスニーカー浸水した!って叫んでたよね?」

「だってあんなすぐダメになる思ってないやん!」

結「ふふ、確かに(笑)

 でもそれ言うんだったら、一番はこれじゃないかなぁ?」

「あ、確かに(笑)」


部室から借りてきたビニール傘は

まさかの外出て最初の風でばきぃ!っていってもうて、

見るも無残な姿になってる。


「さすがに弱すぎるやろ(笑)」

結「見事に真っ二つだよね(笑)」

「絶対なくてもよかったやん、コイツ」


もうあかん。

思っとった100倍雨が酷すぎて

2人とも逆にテンションあがっちゃってるやん(笑)

俺もユキさんもいつもよりおしゃべりやし、

全身から水垂れてんのにけらけら笑うてるし。


結「待ってて、すぐタオル持ってくるから」

「はぁい、」


びしょ濡れのスニーカーと靴下脱いで

パタパタ走ってたユキさんを見送ったら、

なんか急に静かになって。


あ、俺、今ユキさんの家来てんねや、って今更ドキドキしてくる。


すっきりした玄関には

今脱いだびしょ濡れのスニーカーと

履き慣れた感じの下駄が一足だけ。


あ、これ花火大会の時に履いてたやつかなぁ?

確か、まっさんとお揃いのやつやんな。

俺もこっそり履く練習しようかな。


「いや、……さすがにキモない?」


苦笑いしながら小物置き見たら、

細めのネックレスと、お洒落な香水が飾ってあった。


ユキさんの匂いってこれなんかな?


「似てる、けどなんかちゃうような……」

結「はい、大晴くん」

「うわっ!」


くんくんしとったら急に目の前が真っ白になって

探してた匂いで肺がいっぱいになる。


結「その香水ほとんどつけてないんだ。

 あんまり嗅いだことないでしょう?」

「確かに、俺もシャンプーっぽい匂いの方が好きかも」

結「ふふっ、晶哉もおんなじこと言ってた(笑)」

「えぇー、晶哉とお揃いなんイヤやなぁ(笑)」


こんなところでライバル出てこんでえぇって。


分かりやすく拗ねてみせたら

ユキさんは楽しそうに笑ってた。

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作品ジャンル:恋愛
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作者名:マリア | 作成日時:2023年10月22日 2時

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