〇かわいくなりたいのはキミのため-Blue ページ34
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―そうそう、ちょっと稽古始めおそなるけど―
―まぁこんぐらいなら許容範囲内やろ―
「お、お疲れ様です！」
先輩たちの声が聞こえる空き教室に入ったら、
急に、声がしなくなった。
誠「……え、誰？」
……ですよね、
今日、同じ学科の人に10回ぐらい言われました。
バタバタバタバタッ！！
菊「えぇぇりぃぃぃぃー♡♡♡！！！」
「ぎゃぁ！！」
もうほとんどタックルの勢いでキク子先輩に抱きつかれて
い、息が止まってるかもしれません……！
菊「えぇぇ、めっちゃかわいいー！！
姫カットやん！
しかもメガネもなくなってるし！
え、コンタクトにしたん？」
「は、はい。
元々コスプレする時はカラコンつけるんで
慣れてはいたんですけど、」
菊「あぁ！そっかそっか！
いやぁぁん、かわえぇぇ♡
ねぇ誠也先輩見てみて！エリーめっちゃかわいなってる！」
誠「え、エリーなんか！？」
ビックリ仰天おめめがまんまるの誠也先輩のお口があんぐり開いてる。
いや、分かるんですけど
さすがに驚き過ぎではないでしょうか……？
誠「え、え？えっ！？
……え？」
菊「誠也先輩さっきから「え」だけで語ろうとするのやめてください」
誠「いやだって、
こんな変わるもんなん？髪型と服装とメークって」
菊「そんだけ変われば大変身でしょーが！
ねぇ、めっちゃ頑張ったんやなぁ、エリー？」
「は、はい」
それは本当に頑張ったからかくかく頷いとく。
『夏バケ』公演が終わった次の日から
ずっと学校から帰ってきたらメークの練習してたし、
バイト先の人に似合う髪型とかも考えてもらったし、
それに、
誠「……なんか、服装がAっぽい」
「あ、そうです。
あだっちーちゃんとお洋服買いに行ったので」
誠「やんなぁ！
なんか着てそうやなぁとは思うてたけど」
菊「あだっちーちゃん？」
さすが誠也先輩、すぐ分かっちゃった。
あだっちーちゃんと『夏バケ』が終わったらお買い物行こうね！って約束してて、
その時に思いきっていっぱいお洋服を買った。
まぁ、あだっちーちゃんがしれっとおすすめしてくれるお洋服が
びっくりするくらいいいお値段だったりするから
ちょっと、お財布と相談したりしたけど……。
誠「でも、何でいきなりイメチェンしたん？」
「そ、それは、」
チラッと見あげたら、
「ん？」って不思議そうな顔してるキク子先輩。
「……『ジュエリーゼ』に、憧れて、」
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作者名：マリア | 作成日時：2023年10月22日 2時
