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「けど、こじけんやってよっしーにアピールしてるんやろ？」
健「アピール……はしてるつもりやけど、よっしー真面目やから
ほんまにただの先輩としか見てへん可能性があって」
「そうかぁ？
俺目線では高校の時からずっと付き合ってんで2人」
健「勝手に1年もののカップルに仕立てんな。
いっそたいせーの想像の世界に住みたいわ」
「あかん、そんな悲しいこと言わんといてよ(笑)」
健「前に電話した時に
『こじませんぱい、すき』って言われたんやで？
それやから俺も勇気出して『俺も好きや』って言うたのに
次に会った時なーんの話にもならへんし」
「え、マジか！
それどんなシチュエーションなん？」
健「えぇっとなぁ、御守り渡したいから遊ぼって電話した時に
夜遅かったから長電話やめとこと思って
切とうとしたら突然、」
「小島先輩、好きです。と？」
健「いや、もっとふわふわした感じで
『こじませんぱい、すきぃ』って。
めっちゃ嬉しかったからさ。
よっしーから初めてそんなん言われて」
「やったやん！あのよっしーから」
健「そうやねん。
やから『俺も好きや』って言うたのに」
「それはよっしーがズルいわ。
いつの間にそんな小悪魔なってん」
健「やろ？
急によっしーあざとなったから、
好きなヤツできたんちゃうんかって、
ここはいっちょ男見せてがっつり心掴まな！って
張り切ってデート考えたのに、
結局泣かせてもうたし。
最後のゲーセンがいっちゃん楽しそうやったもんなぁ」
「まぁよっしー義理堅いからなぁ。
尽くされっぱなしじゃ気ぃ遣うんちゃう？」
健「やろうなぁ、それは反省した」
「なんか分からへんな、よっしーの気持ち。
先輩として好きなんかそれ以上か」
健「そうやんなぁ。
受験前やからデートにも誘いづらいし
なんて言って声かけるか、」
「確かになぁ」
健「……」
「こじけん？」
黙りこくったこじけんの目の前で手を振ってみる。
健「……やっぱ、悪者になるしかないんかな」
「え？」
健「……すまんな、ほたる」
「え？ほたるちゃんがどうかしたん？」
健「たいせー、今塾講のバイトしてるやろ」
「え、お、うん」
健「俺の頼み聞いてくれへん？」
「な、なに……？」
急に肩ガシッ！って掴まれて頼まれたことは
俺にとっては何でもない頼みやったけど、
どうしたんやろ、こじけん。
なんか、心苦しそうな顔してん。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年10月22日 2時
