◆ある昼下がりのボーイズトーク ページ32
・side.Taisei
「でな！
脚本できたお祝いもこみこみで
ユキさんと来週の金曜出かけんねん！
ちょうど祝日で学校休みやしな。
マジでどうしようっ、なっ、こじけん？」
健「おん……」
横見たら明らかに心ここにあらずな顔しながら
ゆーっくりカフェラテをくるくるしてるこじけん。
俺ばっかしゃべりすぎちゃったかな？
「こじけん？」
健「お、……ん？どした？」
「いや、なんかあったんかなって」
健「あー、……まぁ。まぁ、」
いや、絶対何かあってるやん。
けどまぁ、俺がわぁわぁ言うても嫌がるしなって
コーヒー飲みながら気長に口開くんを待ってみる。
健「……例えばの話よ、」
「おん、」
健「俺は思ってることと反対のことを言うたとする。
でも、相手には反対の意味で伝わってほしいなぁとか思ってたりする。
それに対して相手が「私もそう思ってる」って言うとする。
……その場合って、俺とおんなじ気持ちってことでえぇと思う？」
「ん？……え、ちょっと待ってもっかいえぇ？」
健「やから、……」
・
「……待って、やっぱ分からへんつまりどゆこと？」
健「もぉ、このアホ！女心が分からんやっちゃなぁ、シクシク」
「こじけん男やん」
健「つまり！俺が天邪鬼で言うてもうた言葉に
同感されちゃって自信なくなってもうたって話や！」
「……あ、よっしーの話ね。
おっけ、今分かった」
健「遅い！！」
「で、よっしーって分かった上でもっかい話して(笑)」
健「もぉ！……」
・
「ほぉ、つまり
カッコつけて『誰と付き合ってもえぇけど』とか言うたくせに
いざ、よっしーにおんなじこと言われたら
『俺が付き合ってもえぇん？』って拗ねてる訳や」
健「拗ねてない」
「いや拗ねてるやんバチバチに(笑)」
健「拗ねてはない。ただちょっと気になっただけで」
「嫌なんやろ？
よっしーがこじけんに『この人と付き合います』って
宣言しにくんの」
健「ムリ。
相手の男とタイマン張る」
「ケンカとかしたことないくせに？」
健「ベイブレードでタイマン張る」
「かわいいな(笑)」
健「まぁ、ほんまにタイマン張るんはせぇへんけど
多分逃げる。
聞きたないもん」
「ダメやん、逃げちゃってるやん(笑)」
健「そら逃げるやろ。大晴だって逃げるやろ。
ユキさんがまっさんと付き合うとか言い出したら」
「逃げへんよ(笑)
だってよっしーより想像できんねんもん。
嫌やけど」
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作者名：マリア | 作成日時：2023年10月22日 2時
