★〇ひっつき虫気分-Yellow ページ20
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ぴぴ、ぴぴ、ぴぴ、
遅めにセットしたアラームは10時。
ベッドで寝がえりを打ったら、腕がリチャ君の背中にぶつかった。
あ、ごめん。
多分、言葉になってないけど一応謝っておく。
体を起こしてうーんと背伸びをしたら
隣のリチャ君がごそごそ動いて体を小っちゃく丸めてる。
やっぱり疲れてるんだろうなぁ、
昨日も公演終わった後にセットを手入れしてたみたいで
珍しく「泊っていい？」って連絡が来たと思ったら、
お風呂入って帰ってきたらもう寝てたし。
「お疲れさま、」
寝息を立ててる頬をそっと撫でる。
こうやって隣で寝てくれてるだけで嬉しいんだから、
リチャ君って本当に罪深い。
さて、ご飯はどうしようか。
リチャ君が起きたらどうするか聞くとして
取りあえず軽くつまもうかなって
適当なパンをトースターで焼いてたら、
リ「ん、んん……」
ようやくお目覚めのリチャ君が起き上がる。
リ「……おはよう」
「おはよう、10時半だよ」
リ「マジか……、朝ごはん？」
「いや、小腹がすいたのでくるみちぎりパン食べようと思って。
リチャ君も食べる？」
リ「いや、えぇ……」
ぽつ、ぽつって落とすように話すリチャ君を見ながら
トースターからいい匂いをさせてるパンを取って
ベッドの横に移動。
頭も起きてきたみたいで頭を振ってるリチャ君の髪の毛は
寝起きでふわふわしてる。
「ふふ、ふわふわ」
リ「さわらんといて、」
「ちょっとだけ、ね？」
リ「……ちょっとだけな、」
優しくすくように撫でてたら
気持ちいいみたいで
ちょっとだけ口元を緩ませながらスマホ見てる。
「今日は何時集合なの？」
リ「今日は……3時やな。
ラストして片付けして、そんまま打ち上げや」
「そっか。
でもちょっと早めに行くんでしょ、リチャ君のことだから」
リ「まぁ、うん」
パンも食べ終わったし髪の毛を撫でるのもここまでにして、
隣に座ったら
リチャ君の顔をじっと見つめる。
リ「え、……なに？」
「いや、ご飯どうしよっかなぁって。
今日、バイトもないし」
リ「そうなん？」
「はい、」
リ「……なら、一緒に食べる？」
「やったぁ」
その言葉を待ってたから
嬉しくてそのまま膝の上に倒れこむ。
リ「ちょ、重いって」
「えぇ？失礼しちゃう」
リ「もう、やめてぇや」
恥ずかしそうなリチャ君を膝の上から見あげる。
お昼にはまだ早いし、
もう少し、ひっつき虫のままでいようね。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年10月22日 2時
