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それからAちゃんとおしゃべりしながら
写真会を見てたら
―あれ、お2人さんお知り合いなん？―
受付を片付けてたさっきのお兄さんが俺らを見て首を傾げてる。
結「あれ、晶哉のこと知ってるの？正門」
良「うん、開演ギリに駆け込んできたんよ」
へぇ、正門くんって言うんや。
「え、正門くん！？」
良「え？あ、はい僕が正門ですけど、」
待ってそうやん正門くんや！！
Aちゃんといかがわしい関係(仮)のヤツ！！
ここで会ったが百年目、Aちゃん近すぎ容疑で
いざ尋常にお縄についてもらわな。
「貴方が正門くんですね、」
良「えぇ？なんかのエチュード始まってる？」
結「晶哉、元々劇団いたことがあって」
良「あ、そうなん？」
Aちゃんのズレた答えと正門くんのぽやった答えが
なんか話をずらしてる気ぃするけど
ツッコんでる場合ちゃうわ。
「正門くん、あなたにお聞きしたいことが、」
大「あ、まっさん！写真とってぇー！」
大晴くんのバカでかい声に正門くんが振り返る。
良「あ、おっけー今行くわ」
ちょ！大晴くん今写真どころちゃうって！
アイツとっ捕まえな！
それどころか正門くんも普通に声かけられて写真撮ってるし、
ってかまだ写真会終わらへんの？
大人気やん。
不貞腐れながらAちゃんの方向いたら、
結「……行っちゃった、」
Aちゃんも、俺とおんなじくらい不貞腐れた顔してた。
初めて見る表情がかわいくて、
でも視線の先には大晴くんと正門くんがおって。
「Aちゃん、おもんないって顔してんで」
結「え、そう？」
「どっち見てそんな顔してるん。大晴くん？正門くん？」
結「……どっちでもないよ(笑)」
ひらっと笑顔でかわされてもうた。
もし、俺がおんなじことになっても
Aちゃん、焼きもちやいてくれんのかな？
なんて、聞いてみたいけど、
ちょっと怖くて聞けへんかった。
そうこうしてる間に長かった写真会も終わって
演劇部のミーティングが始まる。
大人しく端っこで待てしながら
聞こえてくる内容に耳を澄ませてみれば、
あの怖い部長さんからのダメ出しとか
それぞれの改善点とか全員が真剣に向き合ってて、
懐かしい気持ちが身体の奥でくすぶってる。
えぇな、俺も一緒に演劇したいな。
それも、Aちゃんの脚本でやりたい。
そしたら、あん時みたいに
『晶哉、カッコイイね』って、『すごいね』って言うてくれるかな。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年10月22日 2時
