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健「お互いの好きな人がライバルって言うか、
めんどくさい関係図やねん」
「え、じゃあ福本先輩って、」
まだガチ恋中ってことじゃ、
続けようとした言葉を遮るように、
ブーッ、ブーッ。
大「あ、ごめん。電話」
健「外出んでもえぇで、暑いやろ？」
大「ありがと、」
震えてるスマホの画面を見て
福本先輩がすぐ電話を取る。
大「もしもし、……はい。
え、もうそこまで行ったんすか？
はっやぁ(笑)」
楽しそうに笑いながら話す福本先輩と、
それを見てるほたるちゃん。
大「ってかまたご飯食べてないでしょ？
……やっぱそうやん！
ほんま俺が見張ってなすぐ飯抜くやん。
え、ご飯持ってきてます？」
淳「お待たせオムライス2つ、って大晴くん電話中か」
健「あ、俺もらいますよ」
淳太さんの両手にあるふわふわのオムライスを
小島先輩が受け取る。
大「食べへんかったらまた痩せますよ？
今から飯持ってそっち行くんで
待っといてください。
……いらん！その代わり全部食べへんかったら誠也くんに報告するんで！」
「じゃあ！」って元気よく電話を切った福本先輩。
誠「大晴、ユキ？」
大「はい(笑)
また昼飯抜いて書いてたみたいで
誠也くんにチクるって言うたら「げっ」って(笑)」
誠「ほんまアイツ、寝食忘れて没頭しすぎやねんって」
大「しゃあない人っすわ(笑)
あ、淳太さんすんません。
このオムライス詰めてもらえますか？
あとサンドイッチ買います！」
淳「任せて。結城ちゃんまた書いてるん？」
誠「学祭公演の締め切り迫ってて」
淳「大変やなぁ。
顔見たいからまたおいでって言うといてな、大晴くん」
大「はい！引っ張ってきます(笑)」
にこにこ笑いながらタッパーとサンドイッチを受け取った福本先輩は
大「よっしー、ほたるちゃん先帰るけど
こじけんに送ってもらってな！
それじゃまた！」
私とほたるちゃんにちゃんと断ってから慌ただしく出て行った。
律儀な人やなぁって感心するのが半分、
あと半分は、
「小島先輩、“ユキさん”って」
健「ん、受付にいた綺麗なお姉さん。結城先輩」
「ですよね、」
じーっと見つめる私の視線に気づいて、
気まずそうに目を逸らした小島先輩がオムライスを頬張る。
健「……大晴の、マドンナや」
その言葉に、詰まってた息が出て行った。
ぽつんと空いた席の隣に座ってたほたるちゃんは
寂しそうに隣を見てた。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年10月22日 2時
