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ガチャ、
誠「おぉ、早いな」
巽「すまん、末澤にたかられて」
誠「はぁ！？
人の金でアイス買うたんお前やろ！？」
巽「ほらぁ、2人ともアイスやでぇ」
結「ふふ、ごちそうさまです(笑)」
きゃんきゃん言うてる誠也くんはしかとして
巽先輩から配られたアイスはありがたくもらっちゃう。
「ところでユキさん。さっきから何印刷してるん？」
結「ん？私の落書き帳」
「落書き帳？」
コピー機に大量に積まれてる紙束を「はい」って渡されたら、
「え、これ脚本やん」
結「うん、冒頭だけとか設定だけのものばかりだけどね」
「なんでこれを？」
巽「今現在、一番手っ取り早いんが
ユキのネタ帳の中からおもろいの探して話にしてまおうっていう
作戦やからな」
誠「にしても候補多すぎひん？
こんだけ考えられるのも才能やで」
確かにパラパラ捲っただけで
１，２，３，４，……え、どんだけあるん？
結「ざっと10くらいになります」
「はぁ！？……ユキさんやっぱ天才、」
巽「アイディアが枯れへんのほんま羨ましいよなぁ。分かるで大晴くん」
切ない力で肩ぽんぽんって叩かれながら、
1つずつ目を通してみる。
え、最初からふつーにおもろいねんけど。
「ユキさん、なんでこれボツになったんです？
めっちゃおもろいっすよ。『いちご姫冒険記』」
結「あぁ、それは自分で書いててちょっと胸焼けしちゃって」
巽「設定の甘さに？」
結「はい。
いっそ男の子にやってもらうっていうのも考えたけど、
一部の観客の暴徒化が想像できたので止めました」
誠「それは……英断やな」
巽「末澤とか似合いそうやけどな、ちっこいし」
誠「あ゛ぁ？」
「なら、こっちは？
この『2人のナツキ』って。
青春ものっぽいし、これならえぇんじゃ」
結「『夏バケ』と被るんだよね……。
しかも“2人の”って設定『ジュエリーゼ』でもやったし」
「あ、そっか」
巽「うわぁ、『淀川ブルース！』やってほしいなぁ(笑)
小島と、あえて正門辺りで」
誠「漫才やるん？ヤバいなそれ！」
「それは、自分でネタ書いてて面白くないなって(苦笑)
あと喜劇と言ったら去年の、ねぇ？」
巽「あぁ、我らが『末様』大活躍のアレな(笑)」
誠「末様やめぇ」
「え、何です末様って？」
そう言えば、淳太さんも『末様』って言うてたよな？
巽「それな、去年の学祭公演『Oh,my happiest day!』でついた
末澤のあだ名や(笑)」
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作者名：マリア | 作成日時：2023年10月12日 22時
