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大「ユキさん？やっぱ仲直りしてくれへん？」
「え、あ、ううん！
全然、……勝手に倒れたのは私なのに、
大晴くん優しいなって」
大「それはマジで心配しましたから！
今度から行き詰ったら俺に「助けて、」って言ってください。
愚痴でも八つ当たりでも俺がどーんと受け止めるんで！
やから約束しましょ、」
「約束？」
大「ほら、小指出して」
目の前に出された大晴くんの小指に戸惑ってたら、
「もう！」って手首を持っていかれて、
骨張って綺麗な小指が、自分の小指に絡まる。
大「ゆーびきーりげんまん、
嘘ついたら、
……何にしよ？」
小指を結んだまま、うーん……って唸ってる目がくりくりしてる。
ちょっとだけ悩んでた大晴くんは
「あ！」って嬉しそうに笑ったら、
大「嘘ついたら、俺のお願いごと聞いて！
ゆーび切った！」
「願いごと？」
大「そ。俺の願いごと聞いてな、ユキさん」
悪戯な顔して見てくる大晴くんに
胸が、少しドキドキしてて。
うまく言葉が返せない。
大「ってか、俺とユキさん前も指切りせぇへんかったっけ？」
「……初めて会った時？」
大「あ、そうそれ！
脚本のこと教えるって約束して、
うるさすぎて誠也くんに怒られてん(笑)」
「あ、そうだったね(笑)」
大「ちゃんと約束したのに、
ユキさん勝手に倒れるし……」
じとっと三白眼ぎみの目をもっと細くして見てくるから
申し訳なさに慌てて手を合わせる。
「ごめんね……」
大「あかん、許さへん。
まだ俺大事なとこ全然教えてもらってないもん。
やからお願いごと聞いてもらわな」
「え、そんな約束だったっけ？」
大「そうやで。
『嘘ついたら何でもお願いごと聞く』って」
「あらら、」
何を頼まれるのやら、
目の前の彼は「なぁにしてもらおうかなぁ」って楽しそうで。
そんな大晴くんに振り回されてるのが
少しだけ、嬉しかったりして。
大「じゃあ、今度俺とデートしましょ！」
「え、デート？」
大「『夏バケ』終わったら2人で！」
「え、そ、それは」
大「拒否権なし！これお仕置きなんで！
えぇですか？」
上目遣いに近づく顔がかわいくて、
気付いたら頷いてた。
大「よっしゃ！」
色気もない返事だったのに
目の前で大晴くんはガッツポーズしたり、ぴょんぴょんしてて
「……かわいい、」
つい、甘い気持ちがぽろっと零れた。
誠「大晴、なに騒いでんねん。あ、……ユキ！」
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作者名：マリア | 作成日時：2023年10月12日 22時
