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何やねん今更、と思った。
もうあんな部活どうなってもえぇって、半ばヤケクソやった。
やから行かへんって送ってやろうと思ったのに、
まっさんから個人でLINEが来て、
まっさんキク子ちゃんも来てほしい。見てほしいものがある。
そう言われて、
ちょっとだけ興味が湧いて、
酒寄がおらへんのなら、行ってやってもえぇかって
部室に行くことにした。
当日、酒寄以外の1年
(あとは正確には正門ガールズっていう2人組の女がおらへんかったけど
めんどいからそこは省略する)
が部室に集まってて、
久しぶりに顔合わせるからちょっと気まずくて。
いや、でも毅然としなって
不機嫌そうな態度取ってみたりしながら
まっさんが来るのを待ってたら、
良「ごめん、おそなった。
……結城、入っておいで？」
優しい声で外に声をかけたまっさんに手を引かれて
部屋に入ってきた結城ちゃんを見て、言葉を失った。
眞「結城ちゃん……、
髪の毛、どうしたの？」
綺麗な長い黒髪やって思ってた髪は
ちぎれちぎれに切られて
ぼさぼさになってて、
べっぴんやなぁって思ってた顔は
可哀想なくらいげっそりやせ細ってた。
良「容姿のことは一旦置いといてほしい。
ただ、結城はずっと酒寄からモラハラとセクハラを受けてて、
そのせいで部活に来れへんくなってたんや。
あと1回来れへんかったら、退部やった」
菊「退部って、無断欠部したん？」
前もって連絡せぇへんで5回休んだら
強制的に退部になる。
入部の時にきつく言われたことを思い出す。
やから、私とまなぁちゃんは
一応、3年の女子の先輩に事情を話して
休部って形を取ってもらったんやけど。
それを、この子はやってもうた。
それくらい、酒寄の仕打ちがひどかったってことが分かって、
ユキに対する気持ちが大きく傾いたんは
この時やったな。
眞「それで、酒寄はどうなるの？」
良「酒寄のしてたこと全部、部長らに報告した。
事情聴取も終わってて、近いうちに沙汰が出るやろ」
織「報告って、
でも、酒寄君は先輩たちと仲いいじゃないか。
うまく言い包める事だって、」
良「そうさせへんように稽古中の様子をこっそり動画に撮ったのも
一緒に送った。
舞台の脚本と合わせて、」
真剣な顔をしたまっさんは
私が記憶する限り、その時が一番怖い顔してた。
まっさんも、きっと
ほんまはめちゃめちゃ怒ってたんやと思う。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年10月12日 22時
