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部屋に入ったらまっさんが座ってて、
その横にユキさんが横になってて。
良「大晴、……リハは？」
「昼休憩中です」
良「そうか……、結城。大晴きたで」
肩を優しく揺らしたら、
顔がちらっと動いて、
ゆっくり体を起こしたユキさん。
明らかに、頬が痩せてて、顔色真っ青で。
「なんで、」
思わず漏れた声は、止まらなかった。
「なんで、こんなんボロボロになるまで自分追い詰めるん？
なんで1人で背負いこむん？
なんで頼ってくれへんねん！
俺やって脚本やんか！！
今、キク子さんに聞かされるまで何も知らんかった！
締め切りのことも、ユキさんが1人で悩んでたことも！！
俺、言いましたよね！？
『困ってたら頼ってほしい』って。
そんなに俺、頼りないん！？」
良「大晴、落ち着いて。ここ医務室やから」
「まっさんは黙っといてください！！
何やねん、いつも近くにおるクセに！！
一番隣におんねやから気づいて止めろよ！！
何してんねんまっさん！！」
理解者顔しよって、
ほんま。
ほんまに、
「好きな人が困ってる時に、声かけられへんって
どんだけ惨めか知らんやろ……。
こんなん、全然俺のこと頼りにできひんって
言われてるのと、一緒やん……」
気付いたら、俺も泣いてた。
だってあんまりや。
こんな、虚しいことないやろ。
2人で脚本の話して盛り上がったのも、
俺が書いたとこ褒めてくれたんも、
全部、嘘やってん……。
「……嫌いになりそうや、全部」
ぽとりと、言葉が零れた。
結「大晴くん、……ごめん、なさい。
本当に、ごめんなさい」
「何が？
俺に黙ってたこと？
頼りにしてくれへんかったこと？」
結「……泣かせて、しまったこと。
大晴くんを、傷つけてしまったこと」
その言葉にもっと涙が出てきて。
唇に力が入ってふるふるする。
結「……ごめんなさい、」
あかん、これ以上ここに居れへん。
医務室から飛び出して、外に出る。
情けない、
悲しい、
苦しい、
なんで、ユキさんなんでなん、
頭ぐっちゃぐちゃのままとにかく走って、
泣いて。
走り疲れて、心もボロボロになって、ベンチに座り込んでたら、
健「たいせー、」
「……こじけん」
見あげたら、こじけんが雑に頭を撫でてきて、
止まってた涙が溢れて、
こじけんに抱きついて、また声あげて泣いた。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年10月12日 22時
