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良「だれ？」
「1年のグループトークです、」
良「なんて？」
横から覗き込んでくる正門先輩に
見つからないように涙を拭う。
「お昼ご飯、誠也先輩の奢りだそうです……(笑)」
良「え、マジか！？
ほんなら食べ放題やな、よし。エリーちゃんすぐに帰ろ！」
「はい(笑)」
正門先輩って案外、食いしん坊なんだ。
初めて知ったなぁって
しっかりした背中を追いかけながら思う。
良「あ、そうや。エリーちゃん、新入生公演終わったら何したい？」
「え？」
良「ほら、モチベーションあげるためにもやで。
ご褒美とか用意してたらまたちゃうかなって」
「したいこと……」
正門先輩の背中が目に入る。
「コスプレ……、」
良「え？コスプレ？」
振り返ったお顔が、改めてだけど今日も綺麗で。
ひりひりしてた目を擦って見てもやっぱり綺麗で。
「正門先輩に、コスプレしてほしいです」
良「えぇ、俺ぇ？」
「アニメとかあんまし詳しないで？」って困った顔してる正門先輩。
「いえ、オリキャラでも全然いいので。
むしろ正門先輩自体がキャラクター性あるので！」
王子様？騎士？
あ、和服も似合う絶対！！
正門先輩のコスチューム姿を想像したら、
なんか、急に体温あがってきた……！
「先輩、やりましょう！！
絶対やりましょう！」
良「え、おん、分かった！分かったから！
その代わり、俺から一個条件つけてえぇ？」
「なんですか？」
良「エリーちゃんが俺の衣装作ること、」
「え、」
想定外のご提案に思わず声が出る。
まさか、舞台衣装前にコスプレ衣装を作ることになるなんて。
これは急展開すぎる！
良「エリーちゃんが作ってくれる衣装やったら、
俺もノリノリでお写真撮れるかも？」
「うっ、」
良「ファンサもしちゃうかも？」
「うぅっ、」
良「なんならもっと、」
「分かりましたやらせていただきます！！」
えぇーいこうなったら
過去最高傑作で正門先輩のコスプレを堪能してやる！！
ふん！って息巻いたら
正門先輩が楽しそうに笑って、
良「はは、気合い十分やな(笑)」
「コスプレのためにも新入生公演乗り越えてみせます！」
良「こらこら、新入生公演も頑張りなさい(笑)」
いつの間にか長い階段は昇り終わってて。
稽古場のドアを、正門先輩が開けた。
健「あ、エリー」
音に気づいたこじけんくんの声で、
みんなが一斉にこっちを見た。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年10月12日 22時
