◆一目惚れ同盟結成 ページ10
・side.Taisei
こじけんとバーベキュー会場に戻ってしばらくして、
ユキさんはまっさんと戻ってきた。
まっさんの手には
俺が持ってきそびれたビール缶があって。
楽しそうに話してる2人を見てたら、
ユキさんと目が合って。
お互い、「あ、」ってなって。
先にユキさんが目を逸らした。
まっさんに話したんかな。
俺がユキさん抱きしめたこと。
嫌やな、内緒にしててほしい。
って、こじけんに話しといてなんやけど。
なんて、1人でモヤモヤしてたら
バーベキュー会場はいつの間にか花火大会に変わってて、
誠「たいせー近い！近いって！」
「大丈夫やって(笑)誠也くんビビりやなぁ」
誠「このTシャツお気に入りやねん！」
「あ、焦げた」
誠「アホちゃうん！？」
誠也くん達とどんちゃんしてたら
ちょっとだけ気ぃ紛れた。
・
「もぉ無理やって、しばらく休憩っ、」
こじけんと花火聖火リレーとか訳分からん競技3周して
謎にガチ走りさせられたせいで喉カラッカラで、
クーラーボックスの隣に倒れこむ。
「こじけん、なんでタフなん……！？」
俺より体力ないやんけって
ゼェハァしてたら、
江「はい、お水。飲む？」
「あ、エリーか。ありがと」
コップに注いでくれた水は一気飲み。
江「もう一杯いる？」
「助かる」
瀕死状態の俺にもう一杯水をくれたエリー。
天使や、大天使様や。
江「隣、座ってもいい？」
「えぇけど、俺汗くさいで？」
江「大丈夫、周り焼肉ソースと花火の匂いしかしないから(笑)」
「なら、えぇか(笑)」
隣に座って、しばらくみんなの様子を眺める。
ユキさん、キク子さんと眞鍋先輩と写真撮ってんな。
眞鍋先輩、夏旅行終わったらイギリス行ってまうもんなぁ……。
江「明日で終わりだね、夏旅行」
「そうやなぁ、」
江「楽しいね」
「……おん、」
ピュアな感想すぎて隣見たら
エリーの目がキラキラしてて。
あ、かわえぇなって
色気なんて抜きにして、純粋に思った。
「エリーってさ、眼鏡外さへんの？」
江「え？」
「眼鏡外したら絶対垢抜けるんちゃう？」
江「いや、いやいや！
私なんてそんな、垢ぬけたって抜けてないようなものだから！」
「何やねんそれ(笑)
えぇやん、髪の毛もさ。姫カットとか似合いそうやけど」
江「えぇ！？大晴くん、それは持ち上げすぎ、」
目の前で手ぇブンブンされながら拒否られてる。
なんやこれ、一周回って傷つかへんな(笑)
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作者名：マリア | 作成日時：2023年10月3日 0時
