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江「あだっちーちゃん、」
何回か呟いてるエリーちゃんは
なんだかハムスターみたいでかわいくて。
こじけんと大晴くんが「エリーはえぇ子やから」って言ってたのが分かる。
誠「エリー？」
江「あ、はい！」
誠「……A、えぇ子やから仲ようしてやってな」
ぼそっと呟いた誠也くんはこっちを向いてくれへんけど
声がいつも通り優しくて
それだけで嬉しくて口元が緩んじゃう。
江「はい！ぜひ！
私もこんなかわいい女の子とお話できて嬉しいです！」
誠「はは、それならえぇわ(笑)」
バックミラー越しに照れてるエリーちゃんを見て
優しく笑ってる誠也くんは、今まであんまり見たことない顔してて。
エリーちゃん、きっとかわいい後輩なんやろうなって
少しうらやましくなる。
やっぱり演劇部入ったらよかったんかな？なんて
ちょっぴり後悔してみたり。
健「あだっちー、今日何する？ビーチバレー？50m早泳ぎ？」
「えっ？」
大「おもちゃいっぱい用意してんで！」
自慢げな2人の後ろには
浮き輪やクーラーボックスがいっぱい乗ってて。
「すごいね！全部買ったん？」
健「いや、ぜーんぶ末澤家の私物です」
大「最初は演劇部のクーラーボックスとシート持ってこうとしてんけどな」
誠「アホ、私用で部の備品使うなや！」
健「えぇやないですか、部長様のお誕生日会やで？
むしろ部員全員参加して然るべきところを」
誠「その主役に車運転させてるんどこの誰やねん」
健「えぇーっと、俺とリチャ君が無免許。
たいせーは免許あるけどぉ？」
大「誠也くんが今日行く海水浴場行ったことある言っからぁ？」
リ「ま、必然やな。安全運転でよろしく」
誠「はぁ……お前らほんまに(笑)
水鉄砲でビショビショにしたるからな！」
健「受けて立とう」
江「え、誠也先輩がチャレンジャーなの……？」
賑やかな会話にくすってしながら
運転席の誠也くんを見る。
金髪の髪の毛の間にチラッと見えるピアス。
運転姿カッコえぇなぁ。
健「あだっちー、」
「ん？」
健「目がハートやで」
「え！？」
後ろからツンツン突かれたと思ったら
こじけんがそんなこと言うからおっきな声出ちゃって、
誠「どした？具合悪なった？」
「ううん！何でもないっ！」
誠「そ？具合悪なったら言えよ。
すぐ止まるから」
大「あだっちーに優しい誠也くんや」
誠「あほ、兄として当たり前やろ」
やっぱり今日も妹扱いは継続中みたい。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年10月3日 0時
