〇傍にいて、傍にいるから。-Red ページ43
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こじけん下ついてんでー
「はぁ……、」
来ちゃった、って思わずため息が出た。
もう、なんでやろ。
誘われた時はあんなに楽しみやったのに。
今は身体が鉛みたいに重い。
大晴くんはよ来なおいてくでー!
……こうなったらいっそ置いて行ってほしいかも、って
それはさすがに迷惑よね。
もう一度ため息をついて、
気合いを入れてからお部屋を出た。
今日は誠也くんとうまく話せるんかな？
この間の花火大会ぶりやし、
あんなことあって、LINEでもずっと気まずくて
誠也くんもちょっとそっけないし。
でも今日お誕生日やもん。
「……受け取ってくれるかな、」
麦わらのバッグからチラッと見えるリボン。
受け取ってもらえへんかったら、……多分、泣いちゃうな。
またため息が出そうになった瞬間、
エレベーターがついて
「もう！あかん、しっかりして！」
ほっぺをぽふぽふ叩いてめそめそ気分を振り払った。
エントランスを出たらおっきな車が横づけしてあって
助手席には見たことあるお顔、誠也くんのお友達のリチャードさんが乗ってたから
後ろのドアを開ける。
大「あだっちー、待ってた！」
健「もう出るとこやったわぁ(笑)」
「ごめん！遅くなっちゃった！」
誠「乗ったな？じゃあ出発すんで」
誠也くんがちらっとだけ振り返ったら車が動き出す。
健「しゅっぱーつ進行ー！」
大「海ー！！」
―2人とも、今からそのテンションだとバテちゃうよ？―
私の隣には楽しそうに笑ってる小柄でかわいい女の子が座ってて、
もしかしてこの子が。
「エリーちゃん、ですか？」
江「そ、そうです、初めまして！
演劇部の1年で江里口と申します！
その、末澤先輩には普段より大変お世話になっておりまして、」
健「エリー固いって。
OBちゃうねんで(笑)」
大「同い年やって(笑)なぁ、あだっちー？」
後ろのシートからやいやいヤジを飛ばす2人に
エリーちゃんは困ったように眉をさげて。
江「で、でも誠也先輩の幼馴染さんなんだから、ちゃんとしないと、」
「そんな緊張しないで？(笑)
同い年やし女の子2人だけやから
仲良くしてください」
江「うぅっ、かわいい……！あ、あのお名前は、」
「あ、ごめんなさい遅くなって。
阿立Aって言います。
こじけんと大晴くんとは同じ学科で、」
健「あだっちー」
大「あだっちー！」
「……って呼ばれてます(笑)」
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作者名：マリア | 作成日時：2023年10月3日 0時
