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「お洒落ですね、」
健「やろ？」
お水をもらいながらドヤ顔してくる小島先輩。
いや、さっき迷子なってましたよね……？って
疑問は消えへんけど、
メニュー表が来たらあっという間に釘付けになった。
「オムライス、ビーフシチュー、グラタン……全部美味しそう」
健「おすすめはオムライスらしいで」
「そうなんですか？それにしようかな……、」
グラタンも気になるけど。
あ、フレンチトーストある。美味しそう。
どうしようか。
健「何と何で悩んでるん」
「オムライスとグラタンです」
健「あ、俺ちょーどグラタン頼みたい気分やってん。
オムライス頼んだらえぇやん。俺のやる」
「いいんですか？」
健「おん、ついでにデザートのフレンチトーストも頼み、」
「……小島先輩ってテレパシー使えましたっけ？」
健「何とぼけたこと言うてん」
「いや、だって、」
あんまり私が食べたいものドンピシャで当ててくるから、
そりゃ疑いたくもなるでしょ、小島先輩やし。
怪訝な顔してじっと見てたやろう私を見て、
小島先輩が溜息をつく。
健「……ほんまカッコつけさせてくれへんなよっしーは」
「どういうことです？」
健「分かりやすすぎるってことや。
メニュー表見てる時、目ぇキラッキラさせながらガン見してたら
誰やって分かるやろそんなん、」
「あ、そういうことでしたか、」
お恥ずかしい。
目の周りを無意味に揉んだりして目力を和らげてみる。
健「……から分かるわ、」
「え、何か言いました？」
健「言うてへん、ささっと頼んで食べよや」
「はい。……あ、注文いいですか？」
何か言うてたような気がしたけど
それは気のせいということで注文を済ませる。
たまたまかも知れへんけど
通された席は窓際の明るい席で、
頬杖をつきながら外を見る小島先輩は
元々の綺麗な顔も相まって、ほんま絵画の世界の一部みたいに見えた。
思わずスマホを取り出してこっそり向けてみる。
画角よし、今や。
カシャ、
あ、音鳴ってもうた。
健「……撮ったな、」
「あ、……すみません」
健「何用？」
「何……、強いて言うたら個人用？」
健「なんやねんそれ(笑)」
「いや、小島先輩カッコえぇなって思ったから、つい、」
口に出してから
何をバカ正直に言うてもうたんやろってちょっと焦った。
でも、前を見たら
健「……っ、」
小島先輩はもっと恥ずかしそうに
手で口元を隠してそっぽ向いてた。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年10月3日 0時
