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健「はっは、おもろかったな！」
「どこがですか！アニメ観るって言うたでしょ！？」
完全に騙された……！
暗転した瞬間、悲鳴が聞こえた時点で嫌な予感がして
小島先輩の顔見たらニヤニヤしてて
ででーん！とおどろおどろしい題字が見えた瞬間、
やられた……って思った。
健「いやぁ、あんな分かりやすいホラー映画があるとは(笑)
来るで来るで、キターッ！ってもはやコントのフリと落ちやんあんなん(笑)」
「そうですねあと小島先輩ずっと隣から
『ここでお化け出てくんで？3，2，1，』ってカウントダウンするの
やめてもらってえぇですか！？
めちゃくちゃ心臓に悪いんで！」
健「えぇー、親切心やったのにぃ」
「余計に怖いわ！！」
カウントに合わせて無意識にドキドキするし
たまにタイミングずれてオバケ出るから余計ビックリするし
ほんまに寿命縮まったかと思ったんやから！
健「あ、よっしー途中からずっと俺の腕掴んでたから
くっきり痕残ってるわ」
「ほら」って見せられた左腕は赤くなってて。
先輩のせいでしょって気持ちと
申し訳ない気持ちがせめぎ合って
むぅってなる。
健「あー、痛かったなー」
「……すみません、」
健「よろしい、お詫びとして後で俺の帽子を選んでな」
「え？帽子？」
健「おん、」
「私が？」
健「当たり前やん」
「凡中の凡センスの私に？」
健「いや、かわえぇやんいっつも」
「は、」
かわいい？
今まで1度だって言われたことない台詞に
自分の服を確認してみる。
いつも着てるロングスカートにシャツ。
可もなく不可もなくファッションの定番だって言うのに。
やっぱり小島先輩の感性は常人とはちゃうかも知れへん。
健「あー腹減ったなぁ、昼飯どうする？」
「あ、先輩にお任せします」
健「ほんなら俺の行きつけ行こか」
「分かりました、」
慣れた様子で歩き出した小島先輩について行くこと10分。
健「……あれ、この辺ちゃうっけ」
「え、小島先輩？」
行きつけって言うてへんかったっけ……？
不思議に思いながら小島先輩を見てたら、
しれっとスマホを出して
明らかに場所確認してるし。
健「あ、あっこや。行こ行こ、」
「先輩、行きつけって言うて、」
健「行こ行こ行こ行こ」
「ちょ、手ぇ引っ張らんといて！」
半ば強引に手を引っ張られてお店に到着。
入ってみたらとっても雰囲気がよくて、
美味しそうなメニューがいっぱいの喫茶店やった。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年10月3日 0時
