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なんやねん、そんなん。


「……知らへんよ、」

結「……そうだよね、私のエゴだよ。これは、」

「ちゃう、」



ふしだらも、

怠惰も、

臆病も、


そんなユキさん、俺はまだ知らへんのに。

そんなユキさんだって、知りたいのに。


「やったら、素のユキさんにはどうやったら会えるん?

 別に、俺やからって先輩せんでえぇし。

 困ってたら頼ってほしいし、

 ……そういうところやって、見たいです」


言ってる途中で

少しだけ目を大きくしたユキさんと目が合って、

急に失速してもうて

またカウンターに目がそれた。


隣で、小さく息を吐く音がする。



結「……本当に大晴くんは、優しいね」



少しだけ、泣きそうな声やった。


驚いて振り向いたら、ユキさんは

苦しそうな顔してて。



「ユキさん?」

結「大晴くんとお付き合いする人はきっと幸せ者だ」

「え、」


なんで、

なんでそんなん言うん。



結「汚せないなぁ、こんな綺麗な子(笑)」



全然、笑えてへんのに

無理して笑ってるようにしか見えへん。


手を握りたい。


抱きしめてあげたい。


やけど、

触った瞬間、ユキさんは崩れてしまいそうで。



伸ばしかけた手が止まる。



結「ますますしっかりしないとね?色々と」

「ユキさん待ってや、」

淳「お待たせー、日替わりプレートとロコモコ丼……、

 なんか、取り込み中やった?」


両手に料理を持った淳太さんが

キョロキョロ俺らを見て困ってる。


結「大丈夫ですよ、淳太さん(笑)

 ありがとうございます。美味しそう」

淳「今日は奥さん的にも気合い入ってるらしいで(笑)」

結「へぇ、それは尚更美味くなっちゃいますね(笑)」

淳「心して召し上がれ。

 はい、大晴くんも」

「あ、……ありがとうございます、」


タイミングを逃してもうたまま受け取ったランチは

美味しかったけど、

どこか消化不良のまんま。


時間ギリになって慌てて帰る途中も

さっきの話を蒸し返すことはできひんで、

結局アイスも買いそびれた。


「戻りました、」


教室に入ったらもう全員集まってて。


健「たいせー、どうやった?」

「おん、……美味かったで」

健「え、暗。何がどうしたん?」


こじけんにも説明できる気ぃせんかったから

取りあえず笑っといた。


誠「ユキはリチャの手伝いな」

結「はい、」


誠也くん達と話してるユキさんは

もうさっきの顔してへん。


なぁユキさん、

なんで、あんな苦しそうな顔してたん。

〇抱えられないくらいの思い出を、2人で。-Purple→←・



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設定タグ:Aぇ!group , 福本大晴 , 小島健   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:マリア | 作成日時:2023年10月3日 0時

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