〇触れられないもの‐Orange ページ32
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まぁ、なんやかんやで衣装合わせが終わったら昼になって、
こじけんと久々に制服着た記念とか言うて写真撮ったりしてたら、
結「大晴くん」
「あ、ユキさんどうしました？」
結「今、時間ある？」
「はい、空いてます」
結「よかったらお昼ご飯行かない？」
「え！？」
待ってや！
急展開すぎひん！？
ガッて横向いたらこじけんが
俺とおんなじくらい滾った目ぇして俺見てて。
いや、こじけんがその表情するんは分からへんけど(笑)
健「行け、たいせー。何を置いてでもすぐ行け」
「こじけん、」
健「……俺のことはいいから、行け」
「いや、それこれから死ぬヤツやんか」
結「あ、こじけんくんも来る？」
健「いえ遠慮いたします！」
高らかにそう言い放ったこじけんは、
健「不束者ですがよろしくお願いいたします。
ほな、さいなら♪」
そっこーで俺をユキさんに差し出して
謎に投げチュー寄越して教室から出て行った。
結「こじけんくん、何かいいことあったのかな」
「あ、気にせんで全然えぇんで。
アイツはあーいうヤツです」
結「そっか、」
置いてかれたユキさんと俺と
嵐のように出て行ったこじけん見送って、ぽつり。
いや、そんなんどうでもよくて。
「ユキさん飯行きましょ、昼休み終わりますよ？」
結「あ、うん。でも大晴くん制服のままでいいの？」
「あ、あぁ……いいです。
ちょっとイタいかも知れへんけど(苦笑)
それよか、ユキさんと飯ゆっくり食べたいもん」
早くって急かすように手を引いたら
足早に教室棟から出る。
まだまだ暑い盛りの外に出たら一気に汗かいて
あっつー、焦げそう。
結「誠也くん達学食行くって言ってたから、
別の場所にしようか」
「了解です、」
暑すぎて制服のシャツばたばたさしたら、
ユキさんが可笑しそうに笑った。
結「なんか、大晴くん本当に高校生みたい」
「え、幼く見えます？」
結「ううん、ただ少女漫画に出てきそうだなと思って」
「やった、絶対イケメンやん」
結「アイスとか咥えてたら似合いそう、ソーダ味の」
「あ、帰りに購買寄ります？」
結「ふふ、しょうがないなぁ。ご馳走するよ」
「え、全然払いますって」
結「ダメ、たまには先輩の甲斐性見せとかないとね」
「えぇぇ、」
先輩の甲斐性なんかより、
ユキさんとアイス食べる方が嬉しいんやけどなぁ。
そんなん思ってたら、見覚えあるお店の前についた。
あれ、ここって。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年10月3日 0時
