・ ページ31
・
「あーぁ、今の髪型気に入っててんけどなぁ」
結「それは、本当に申し訳ない」
申し訳なさそうにすごすご正座しなおすユキさんに
ちょっとだけ悪戯心が芽生える。
「ユキさん。今の俺、かっこえぇですか？」
結「え、」
「かっこえぇって言ってくれな、
俺、この髪型とお別れできひん」
正座してる膝の横に手をついて
目の前まで近づく。
この間のコテージの時と、おんなじくらいの距離感。
やけど、今日はなんかイケる気ぃした。
「なぁ、ユキさん。言って。
『大晴くん、カッコいい』って言うてや」
あざとく上目遣いで覗き込んだら
ユキさんの唇がふるふるしてる。
もう少し、
結「大晴くん、」
「ん？」
結「……かわいい」
「え？」
そっち？
期待してた言葉と違って、ちょっと肩から力が抜けそう。
結「って、ずっと思ってたんだけど。
最近の大晴くんはカッコよくて、その、困るね」
そう言って、困った顔して微笑んだユキさん。
え、なんやそれ。
「なんで困るん」
結「……ないしょ」
恥ずかしそうに目を逸らしたユキさんが
めっちゃかわいくて、
あ、あかん。
このまま抱きしめたい。
ってか今度はマジでキスしたい。
あかん？
バシッ！！
「いった！！」
誠「はい大晴、そこまでー。
午前中から盛んなやドアホ」
「いったい誠也くん！！」
頭思っきりはたかれて倒れて、
顔上げたら目が笑ってない誠也くんと目が合って。
あ、俺死んだ。
健「たいせー、チキるなとは言うたけど
それはさすがに逮捕やわ(笑)
こんなんエリーに見せられへん」
江「あ、あのこじけんくん。
一応同い年だし、そろそろ目隠し外してもらっても、」
健「ん？あかん。
エリーには大人すぎます」
江「えぇ！？」
後ろの方では同期らニヤニヤしながらこっち見てるし。
結「大晴くん、大丈夫？」
心配そうやけど笑いながらこっちを見るユキさんに
「頭蓋骨割れたかも知らん」って軽口叩きながら起き上がったら、
誠「そんなん叩いてへんわ」
「あたっ！！」
もう一発はたかれた、こんなん暴力ちゃうん！？
誠「ちゃんと決まったことエリーに言うとけよ、大晴」
「はーい、あ、誠也くん」
誠「なんやねん」
「ありがとうございました、」
誠「……次、部活中で盛ったらしばき倒すからな」
ぷい、って素直やない部長様はそっぽ向いて行ってもうた。
ま、仲直りできたから
今は感謝しなあかんか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 167人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：マリア | 作成日時：2023年10月3日 0時
