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誠「それではぁ！今夜は無礼講ってことでぇ……」
＝かんぱぁぁい！！＝
―ってかいつでも無礼講ちゃうん、この部活って―
―あかんでぇ、ほんまのこと言ったら(笑)―
まぁ、それはほんまにその通りなんやけど(笑)
とにかく楽しそうな誠也くんの掛け声で始まったバーベキューは
肉やら海鮮やらいっぱい用意してもらってて、
健「ほれ、たいせー肉やで」
「お、ありがと」
健「と見せかけてターン！！」
「……ウザッ、」
健「ちょ！待って首はあかんってギブギブギブ！」
織「あぁ、タレこぼれてるよ大晴！」
「え！？うわ、最悪や！！」
お気に入りのTシャツにはこじけんの皿から零れたソースが
べったりついてて、気分一気に萎えた。
「はぁぁ……、」
健「たいせー、すまん」
「二度と口利かへん、絶交や！」
健「小学生か！これでもくらえでゅくしー！」
「うわ、いったーいたいたいたいたい……俺、大晴！！」
誠「何やねんお前ら」
＝はははっ！＝
まぁ、だいぶへこんだけど
一笑いはかっさらってシャツを洗いにコテージに戻る。
「あー、だいぶべったりついてるやんけ……」
ソースの匂いもするし、しゃあないからそのまま脱いで
コテージまで歩いてたら
前の方から人影が見えた。
あれ、誰やろ？
結「ん？だ、れ……、え、」
街灯の下で初めて顔が見えて、
ユキさんは俺を見てから、ゆっくり目をパチパチ。
結「え、えっと、」
顔見て、下見て、
そっと背中を向けたユキさん。
あ、あかん。やってもうた。
Ｔシャツ脱いでもうてる。
こんなんほんまにただの変態やんけ。
「す、すみません！」
結「いや、大丈夫(笑)ビックリはしたけど」
「俺、ヤバいやつちゃいますからねユキさん！」
結「はいはい(笑)」
あぁあかん、これ絶対引かれてもうてる……。
泣いちゃうわこれ。
爆速でＴシャツ着直して、ユキさんの肩を叩く。
「すみませんでした、」
結「んふふ、大晴くんでよかった」
「ユキさん、何してたんす？」
結「ん、飲み物の補充。お酒の消費が早いから」
「ほら」って見せてくれた右手には
ビール缶の入った袋を持ってて。
「え、全然言うてくれたら俺持ちますよ」
結「でも、大晴くんＴシャツ洗わないと」
「こんなん後でえぇから、貸してください」
結「じゃあ、Ｔシャツ洗ってから。
その後持って」
「ね？」なんて上目遣いで見つめられたら
断れへんの、
ほんまユキさんってズルいよな。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年10月3日 0時
