〇◆花盛りのオレ達は‐Orange ページ28
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誠「えぇやん、しっくりきてんで」
健「当たり前っしょ、この間までこれ着てたんやから」
誠「ま、そらそうやな」
今日は新入生公演『夏バケ』の衣装合わせってことで
朝からにぎやかにお着替え中。
今回の主人公が同じ高校の男子4人組って設定で
俺とこじけんが同じ高校やから
じゃあ制服も俺らので合わせようやって
友達から借りたりして集めたんはよかったけど、
健「……なんなんやろな。
たいせーのこのぜつみょーに似合ってない感は」
「よなぁ？俺も違和感あるって言うか、」
姿見で全身写しても
なんかしっくりこぉへん。
じゃあ役に合ってるかって言われても、そーゆー訳でもなく。
まさかもう制服が似合わへんとかないよな、なんて
こじけんと2人で首ひねってる横で
阿南と恩ちゃんがきゃっきゃしてる。
阿「洒落た制服やなぁ」
恩「このシャツ、ちょっときついかも……」
誠「シャツは前開けて着るから、
色味合うてたら自分とこのシャツ使ってもえぇで？
イメージは平成ど真ん中のチャラい高校生やから
こっから色々足してくつもりやし。な、ユキ？」
結「そうそう。例えば恩田くんはネクタイはちょっと緩めにして、
手首はリストバンドとかアクセサリーでじゃらじゃらにするとか。
靴もコンバースとかにして」
誠「あ、ほんならスクバをリュックみたいにさすんは？」
結「あぁ、それもアリですね」
衣装班の
今日はユキさんも入れてアイディアをどんどん出してって。
江「リストバンドとブレスレット、分かりました！」
2人の話を聞きながらエリーは一生懸命メモ取ってる。
頑張ってんなぁ。
誠「阿南はなぁ、カーディガンやな。
ベージュとか似合うんちゃう？
腕に細めのブレスレットして。皮かな、ミサンガでもえぇけど」
阿「あー、いいですね。
そんなら俺、前髪ポンパとかにしましょっか？
緩くパーマかけたりして」
誠「お、えぇやん！
今ちょーど髪も長いしナンパっぽい感じ出せるんちゃう？ほんなら……」
盛り上がってる誠也くんと阿南を見てたら、
隣におったユキさんとふいに目が合った。
「あ、あの、」
誠「なぁ、ユキ？小島の制服やねんけど、」
誠也くんから呼ばれて、あっさり目を逸らすユキさん。
夏旅行が終わってからというもの
ユキさんとはずっとこんな感じから
あの夜のことも、あれっきり何もないまま。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年10月3日 0時
