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「めちゃめちゃカッコ悪いやん、ちっさい頃の晶哉くん」
結「そんなこと言わないでよ(笑)
すごく嬉しかったんだから。
私、一人っ子だし
晶哉のこと本当の弟みたいにずっと可愛がってきて。
だから、そういう思い出ばっかりいっぱい憶えてるんだろうね」
「えぇぇ、」
懐かしそうに微笑んで星を見上げてるAちゃん。
ちゃんと小さい頃の俺のこと覚えてくれてるんは嬉しいけど、
「本当の弟みたい」って言葉は
素直にいただけなくて。
どうしたら男として見てくれるんやろうな。
弟じゃなくて、
Aちゃんのことが大好きな
1人の男として。
そう思ったら、
自然と手がAちゃんの手に伸びてて。
握りしめた手をわざとらしく
ゆっくり指を絡めて、恋人つなぎしてみた。
結「晶哉？」
静かな空間やから、
吐息がまじったAちゃんの声が俺の名前を呼ぶ。
目が合ったAちゃんの瞳の中に星が映って、
キラキラして見えた。
「手、繋ぎたなったから」
覚えてへんやろ？
あの時やって俺ら、こうやって手ぇ繋いでたんやで。
キャンプ場の高いところにある
展望台に行って、「星見よう！」ってなって。
柵の下が崖になっててこわなった俺の手を
Aちゃんが繋いでくれて、
『だいじょうぶだから、わたしの手、はなさないでね！』
って、言ってくれたんやで。
その時のAちゃんの顔が
お姫さまみたいにやさしくて、
やから、俺はAちゃんの王子様になりたいって思った。
ずっと、手を繋いでいたかったから。
近くにいたかったから。
「Aちゃん、」
結「ん？」
Aちゃんは、今でも俺のお姫さまやで。
そう言ってガラスの靴も残さんと攫ってしまいたい。
でも俺はまだ何も成し遂げてない高校生で。
王子様やなくて、ただの村人で。
やから、
「髪の毛、目にかかってんで」
結「あらら。ありがとう」
さらさらな髪の毛を横に分けたら、
Aちゃんは恥ずかしそうに目を逸らした。
そのままふわふわのほっぺたを撫でたら、
ちょっとだけほっぺを手に寄せてくれたような気がした。
「……てな、」
結「え？」
ズルいよ、Aちゃん。
まだ置いていかんといて。
俺の手が届かへんところで、大人にならんでよ。
俺が迎えに行くから。
やから、
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作者名：マリア | 作成日時：2023年10月3日 0時
