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良「うわ、天然石のお店やって。

 エリーちゃん誕生日は?」

「4月12日です」

良「あらら、もう過ぎてもうたんか」

「ごめんなさい」

良「4月ってなんや、……ダイヤモンド!?

 ひゃあ、お高いなぁ(笑)

 お金足らへんやん」


さらっとそんなこと言うから、こっちはぎょっとしちゃう。


「買ってくれるつもりだったんですか?」

良「お誕生日近かったらとお金が足りたらな(笑)

 けどダイヤモンドは無理やなぁ。

 結婚指輪にならえぇけど」

「うっ、」


大晴くん、私もう限界かも知れない……。

結婚指輪とかさらっという正門先輩と

結婚指輪ってワードにダイレクトに反応しちゃう恋愛初心者じゃ

圧倒的戦力差が、


良「そうかぁ、お誕生日まで時間空くな」

「あの、正門先輩は、」


「いつがお誕生日ですか?」って

流れで聞けそうなことすら、

口がふるふるしちゃう私なんて、

やっぱり、正門先輩には。


良「誕生日?

 11月28日。

 ちゃんと覚えといてな」

「……はい、」


何回か心の中で呟いてしっかり暗記した。

本当はスマホのメモに残しておきたいくらいだけど。


良「えぇ、ほんならどうしようかな」

「どうかしたんですか?」


うぅーんって唇を尖らせてる正門先輩が

ぱちってこっちを向く。


良「ん?……これあげる口実」

「え、」


目の前に下げられた紙袋は

さっきの練り香水のお店のロゴが入ってて。


「これ、」

良「さっき「えぇ匂い」って

 俺の嗅いだ後にこっそり自分もつけてたやろ?

 気に入ったんやろうなぁと思って」


「だから、プレゼント」って

渡された紙袋の中には、

桃の練り香水がプレゼント包装されてた。


さっきの桃の匂いがふわっと胸に迫ってきて

嬉しくて、

胸が甘酸っぱくて、


どうしよう、お礼。

でも、私なんかに、

どうしよう、どうしよう。


―言った方も嬉しいしな、受け取ってくれたら―



そうだ。

素直に、言えばいい。


「あの、」

良「んー?」

「ありがとうございます。

 ……とっても、嬉しいです」

良「そっか。喜んでくれて、俺も嬉しいで」


覗き込んだ正門先輩の目がくしゃって笑った。


「大事にします、」

良「ありがとぉ。

 でも、大事にしすぎて使わへんのなしやで?

 毎日つけてるかチェックしよか?」

「え!?」

良「冗談(笑)」


やっぱり先輩の方が何枚も上手だけど、

それでも

正門先輩の笑顔も、いつもより少し柔らかい気がした。

〇微睡みに貴方といれたら-Purple→←・



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設定タグ:Aぇ!group , 福本大晴 , 小島健   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:マリア | 作成日時:2023年10月3日 0時

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