〇桃色の片思い-Blue ページ15
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―長旅、お疲れ様です。
ここから2時間は、各自お土産時間ということで。
集合遅れたヤツは、例によって容赦なく置き去ります。
それじゃ、解散！―
もう恒例になった脅し文句に笑いながら降りたら、
目の前にはお土産屋さんがいっぱいあって、
どうしよう、目移りする……！
なんて、1人でキョロキョロしてたら、
健「今日はにこにこしてんな、エリー」
「こじけんくん、」
健「よ、」
あれ、昨日も似たようなことがあったような。
「こじけんくんって、優しいよね」
健「何が？」
「いや、いつも私が1人でいたら声かけてくれるから、」
健「まぁ、男たるものレディーを1人きりにするなかれってな。
おとんに叩き込まれたから」
「す、すごい英才教育だね……」
健「嘘やけどな」
「え、」
こじけんくん、しれっと真顔で言うから
嘘だか本当だか分かりません。
ただ、優しいのは本当だから
これはもう、こじけんくんの照れ隠しってことにしておこう。うん。
大「こじけぇん、待ってって！」
健「遅いねんたいせー」
大「ごめんって(笑)」
大晴くんが降りてきて
「エリーやっほ！」って声をかけてくれる。
昨日、同盟を結成したからかな。
大晴くんともっと仲良くなれた気がして
思いきって「やっほ、」って答えてみたら、
にこって笑ってくれた。
よかったぁ……。
今日は3人でお土産回れるかな、って
バスから離れようとしたら、
良「今日は3人でお出かけなん？」
健「あれ、まっさんまだバスおったん？」
良「財布危うく忘れるところやってん(笑)」
健「アホやなぁ」
「アホ言うな」って笑いながら降りてきた正門先輩。
大晴くんと目が合う。
大「(どうするん？話す？)」
「(え、でも3人でお土産、)」
って会話をジェスチャーだけで伝え合ってたら、
健「あ、俺急にお腹が、たいせー助けて」
大「はぁ？トイレくらい1人で行けって！」
健「えぇやんか。俺らって、ソウイウ仲やろ？」
大「どういう仲やねん」
健「えぇ？……『欲動』の千秋楽の時やって2人で、」
大「あーあーあー！！トイレ行こなぁこじけん！」
わぁ！って大きな声を出して邪魔する大晴くんと
にんまりするこじけんくん。
健「と、いう訳でまっさんにエリーのお供役を命じます。
エリー姫をよろしゅう。ではまたぁ♪」
「え、ちょっとこじけんくん！」
最後にすごいキラーパス出して、
大晴くんと行っちゃった……。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年10月3日 0時
