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シンプルに、俺がユキさんを振り向かせればえぇ話やって思ってた。
でも、エリーの話聞いてたら
まっさんにもなんか問題があるような気がして。
でも、しょうみ俺1人で2人の問題を解決するなんて
まず、立ち入ることすらできへんかも知れへんし。
どうしたらえぇん……？
江「大晴、くん？」
「あ、ごめん。考え事してて」
江「あ、ううん。私こそ、話付き合わせてごめんね」
「いや、気になってたこと聞けたから、俺もよかった」
江「それなら、いいけど」
「エリーって呼ばへん方がえぇの？エリー的には」
江「え、ううん！
エリーでいい、……エリーがいい。
正門先輩が、つけてくれたから」
「……エリー？」
ちらっと、一瞬だけ、エリーの視線が動いた。
追いかけるようにそっちを向いたら、
その先に、まっさんがいて。
え、まさか。
「エリー……、まっさんのこと、好きなん？」
江「っ、……」
シャツの袖口をきゅっと掴んで
エリーは俯いたまま。
まじか、
やから、
江「……一目惚れ、だったの」
「え、」
七夕公演の時、まっさんの演技を見てドキドキしたんやって、
だけど、これが恋か
今まで恋愛したことなさすぎて自信がないし
恋だとしても、
ここからどうしたらいいか分からないって
恥ずかしそうに顔真っ赤にして話すエリー。
江「だから、エリーちゃんって呼ばれて
かわいがってもらってるだけで、嬉しくて」
「……嬉しいよな、分かる」
江「本当？」
「俺もな、最初は一目惚れやってん(笑)
部活説明会の時に「美人や！」って文字通り一目惚れして、
その勢いのまんま演劇部入って(笑)
……でも、今は、
見た目だけやなくて、
もっと、ずっとユキさんが好きで。
ずっと笑顔にしてあげたいし、隣におりたいなぁって思ってる。
やから、
……まっさんには負けられへんねん」
どんなに手強くても、めんどくさくても。
諦めるなんて言葉は、まったくない。
「俺、負けず嫌いやから(笑)」
江「大晴くん、強いね」
「まぁ、俺の失恋ターンは七夕公演の時にとっくに終わってもうたし(笑)
あとはもう攻めて攻めて、ぶつかるだけやん。
なんも怖ないわ(笑)」
そうや、なんもひよることないって。
今まで通り、勝手に好きでおるだけや。
江「……カッコいい、」
「エリーもそうなれんで？俺ら、一目惚れ同盟やんか」
江「ど、同盟？」
「そ、同盟」
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作者名：マリア | 作成日時：2023年10月3日 0時
