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◆〇狂犬様の憂いごと ページ1

・side.Richard


誠「……、」

「そんな眉間に皺寄せてたら、幸せ逃げんで?」

誠「……あ、ん?」

「いや、「ん?」って」


まったく聞こえてなかったらしい末澤は

ちょっと首を傾げた後、また元通りスマホにガン飛ばし始めた。


そんな眼力でスマホ睨んだら

その内、コイツのスマホバキバキになるんちゃう?

ってかようバスん中でスマホ見てられるな。

酔うで?確実に。


なんて、一通り隣の席へのツッコミが済んで

やることもないからしばらく寝てようと思って

目を閉じた途端、


誠「なぁ、リチャ」


とか、コイツほんまにそういうとこあるから。


ねむいのアピールで

「ん?」だけで返す。


誠「……お土産、何でもいいって言われたら何買ってく?」

「……菓子とかえぇんやないの、無難に」

誠「もっと色気あるもんがえぇ」

「……それ、俺に聞きます?」


絶対俺ちゃうやろ相談する相手。


そうは思うけど、

どうやら本人は真剣らしく、

ちょっとだけ興味が湧いたから

しゃあなし風に起き上がってみる。


「誰に買っていくん?親戚?」

誠「……女の子」

「は、」


この男でも、女の子にお土産とか

マメなとこあるんや。

いや、ちゃうな。

この感じやと、


「例の、幼馴染ちゃんか」

誠「ん、」

「やったら聞けばええやん。

 夏旅行来てるけどお土産何がえぇ?って」

誠「それができたらリチャに相談なんかしてへんって」

「……お前、俺に相談しててよくそれ言えるよな」


寝てやるぞ、ほんまに。


まぁ、末澤は悪気なくそういうこと言うヤツやって分かってるし

ほんまのほんまに悩んでそうやし

今はツッコまんといてやるけど。


誠「この間から、絶妙に距離取られてるような気ぃしてて」

「なんかしたん?」

誠「なんか、……したんかも知らん。知らんけど」

「知らんのかい。

 え、マジで心当たりないん?」

誠「この間、花火大会の後Aの家に行ったらしい。

 で、朝起きたらAが寝てて」

「え!?……つまり、そういうこと、?」

誠「してへん!

 ……多分」

「末澤の「多分」ほど証拠能力ない「多分」ないもんな」

誠「……酔ってても、Aに無理やり迫るようなヤツやないって

 そう思ってんけど。

 でも、起きてすぐ謝って詫びたいって言うたら

 「何にもいらへん」って言われてもうて」

「それきり、拒否られてると」

誠「……うん、」


いじけた顔してスマホを握りしめてる末澤なんて

初めて見た。

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作品ジャンル:恋愛
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作者名:マリア | 作成日時:2023年10月3日 0時

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