〇17歳はオトナビタガリ(後編)-Green ページ6
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体験講義が終わってスマホを開いたら、
Aちゃん晶哉ごめんね。ちょっとまだ手が離せないからよかったら部室まで来る?
ってAちゃんからお誘いされて、
それは行くしかないやん？
ってことで、
この間の公演の帰りにちらっと寄っただけの記憶を頼りに
晶哉くん、見事部活棟まで辿り着きました！
これはお褒めのなでなでもらってえぇんちゃう？
ってるんるんで部室に行ったら、
トントン、
「お邪魔しまぁ……」
大「ユキさんここどうします？」
結「あ、そこは少し語尾を変えようか」
大「分かりました」
そこには俺の公式ライバルの大晴くんとAちゃんが
隣同士で話してる姿が。
距離近いっ！
あんなんすぐぎゅーもちゅーもできるっ！
ってすぐに引き剥がしたい気持ちと、
でも絶対さっきの脚本の話やんな？
大晴くん脚本組入ったって言うてたし、邪魔したらあかん。
っていい子な晶哉くんが身体ん中で大ゲンカ。
しゃあないからドアの陰からめっちゃガン見しとったら、
―自分何してんの？―
「ぎゃあっ！！」
いきなり声かけられて
その拍子にドアをバタン！って開けてもうて、
結「あれ、晶哉いたの？」
「あ、うん……今、ついたとこ……」
ビックリしてるAちゃんにはにこにこしといて。
誰やねん脅かしたん！
ガッ！と振り返ったら、
ピアスばちばちの目つき悪いお兄さんが
俺のことガン見しとった。
え、こわいぃ……。
―ユキの連れ？―
結「あ、誠也くん。
私の幼馴染なんです。今日案内するって言ってて」
―あぁ！それで抜けたんか！―
声高いぃ、こわいぃ……。
なんかめっちゃ納得してるけど
俺のことガン見するんやめてぇ、怖いからぁ……。
Aちゃんの後ろに隠れてぷるぷるしてたら、
大「晶哉、久しぶりやな！」
わんちゃんみたいに嬉しそうな顔して声をかけてくる大晴くん。
おかしい、俺ら一応ライバルやんな？
「Aちゃんと何話してたんですか？」
大「あぁ、今度やる公演の脚本の直し。
少しやけど俺も台詞任せてもらえたんやで！」
ほんまに楽しそうに脚本の話する大晴くんに調子が狂う。
えぇな、あと1年早く生まれてたら
俺やってAちゃんと一緒にできてたのに。
どうにもならないそのモヤモヤがしんどくて。
「……距離近すぎです」
大「うわ！ちょ、やめや！」
悔しいから大晴くんのさらさらの髪の毛ぐっしゃぐしゃにしたった。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年9月4日 20時
