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それからこじけんくんと2人で参道をぶらぶら歩いて、
健「あ、あれうまそうやん」
こじけんくんが指差した太宰府ドッグなるものが
とっても美味しそうで
2人で半分こして食べてたら、
誠「え、お前ら付き合ってたん？」
いつの間にか背後にいた誠也先輩にとんでもない疑惑をかけられて、
危うく最後の一口が飛び出しそうになった。
健「誠也くんやって普通にやるでしょ半分こくらい」
誠「いややるけど！」
健「うわぁ、女たらしぃ」
誠「いやお前が振ったんやんか！」
健「きゃー。エリーあかんでぇ？こんなん先輩に騙されたらぁ」
誠「小島マジでしばき倒すぞ？」
後ろでぎゃあぎゃあ言い合ってる2人の声を聞きながら、
「付き合ってたん？」って台詞に、ひとりでドキドキしてた。
確かに、2人で歩いて半分こしてなんて
傍から見たらデート中のカップルみたいだもん。
だけど、こじけんくんの人柄のせいかな、
そんなシチュエーションだったのに、緊張しないで話せてて。
それは、今までの私なら考えられないことで。
もし、隣にいるのが正門先輩だったら。
良『半分こする？』
……、ムリムリムリムリ！！
絶対、心臓、いくつあっても足りない……！
そんな初心は今まで通りの自分で、少し安心した。
きっとこじけんくんが変わってるんだ。
そうに違いない。うんうん。
誠「エリー！」
「え、はい？」
誠「小島と付き合うんだけは絶対反対やからな！」
「え！？ど、何がどうしてそんな話に、」
誠「俺が認めた男やないとあかんからな！」
「誠也先輩、そんな無茶な、」
この何ヶ月かで分かったことだけど、
誠也先輩は、一度その懐に入れてくれたら
過保護なくらい優しい人で。
衣装班に入ってから
少しずつ、その「優しい」を分けてもらってるのを感じられて
前よりずっと誠也先輩が好きになった。
「んふふ、」
誠「え、いきなり何？怖いねんけど」
「ないしょ、です」
誠「はぁ？何やねん(笑)」
健「ってか誠也くん何しにきたんす？」
誠「あ、そうそう。
あっこで美味そうないちご団子見つけたから一緒に食べへん？って」
健「ごちそーさまでーす」
誠「ちゃう、お前ちゃうねん！
俺はエリーに、」
健「1年差別よくなぁーい、はんたぁーい」
誠「こいつマジでほんま……！
エリー、ほんまに小島と付き合うんはやめとけよ？」
「ふふ、はい(笑)」
きっと、誠也先輩に愛される人は幸せなんだろうな。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年9月4日 20時
