◯眠り姫に願いごと-Orange ページ42
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ガコンッ！
「ったぁっ！……なんっやねん朝から、」
リ「バカ！声でかいって大晴」
「え、……リチャ君？」
頭に落っこちてきた何かのせいで
最っ悪な目覚めやって目を開けたら
意外や意外、リチャ君が仁王立ちしてて。
絶対こじけんか誠也くんやって思ってたし、
ってか朝イチでリチャ君ってなんか濃いな、とか
そんなんぼんやり思いながら
枕から頭も上げんと寝返り打とうとしたら、
リ「あほ！そっち向くな」
小声でいきなり怒られて
ついでにぐい！ってけっこうな力で逆に引っ張られた。
え、めっちゃ痛いんやけど。
「えぇ……、なんなんすかリチャ君」
リ「大声あげへんって多分約束できひんやろうけど一応言うた上で、
大晴、自分の腕がどこにあるか見てみ」
「えぇ？腕ぇ……？」
なに、腕って。
どっかに乗っかってる感じはするけどって、
ぼんやり肩から辿ったら
案の定腰の上に抱きつくように乗ってて、
ん？
待って。
これ、誰や。
眠かった頭が急に冴えてガバッ！と上半身が飛び起きる。
リ「あ、覚醒した」
寝息を立ててる華奢な身体、
白い肌、
綺麗な髪。
え、
「えぇぇ、！？」
リ「あっほ！やから黙れって！」
結「んん……」
「◯×〜？□△ッ！！」
リチャ君にしばかれるのと
ユキさんが顔を顰めたので咄嗟に自分の口を塞いでた。
我ながら偉ない？
いや、そんなん言ってる場合じゃなくて！
「え、な、なんで俺ユキさん抱きついて、」
リ「それは知らん。
俺が起きて顔洗いに行こと思ったら、大晴がユキ襲ってたから
一応止めよと思って」
「いや襲っては……、ないとは言えへんな。この状況」
リ「やろ？
これ第一目撃者が末澤かこじけんやったら末代までイジられんで？自分」
「そぉっすね……」
まぁ、こじけんは朝超絶弱いから絶対起きひんけど。
リ「ちなみに末澤は死ぬほど朝弱いから絶対起きひんけどな」
「あ、……よかったすわ(笑)」
ひとまず最悪の事態は免れそうってことで
こっそりユキさんから離れて自分の位置に戻る。
これで完全犯罪ってことでリチャ君にお礼言ったら、
リ「後で甘いもん買うの付き合ってくれたら黙っといたるわ」
とか珍しく誘われて
嬉しくて「お土産っすか？」って聞いたら
リ「ないしょ」
って信じられへんくらい優しい顔して
「いった！」
リ「あと末澤起こすの手伝ってな」
そのくせいったいデコピン食らった。
なんやねんもう。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年9月4日 20時
