◆とんだ巻き込まれ事故 ページ5
・side.Taisei
健「すまんたいせー。遅なった」
「あ、こじけん。よっしーよかったん？」
健「まぁしゃーないやろ。あとでもっかい謝っとくわ」
けろっとした顔してるこじけんに
なんかこっちが申し訳なくなってくる。
よっしーもごめん、これもロミジュリのせいやから。
ガチャ、
結「遅くなりました、」
誠「あぁ、ユキ悪いな。用事あるって言うてたのに」
結「いえ、『行っておいで』って快く送り出してくれたので。
ひとまず脚本の確認ですよね？」
誠「おん。代役立てるか作り直すか急いで決めなあかんから」
「ユキさん、脚本チェック終わってます！」
辞めた2人が出るはずやったシーンに印つけた脚本を並べて
その場におるメンツで緊急会議が始まる。
誠「マジでどうする？
もう稽古始まってるしユキもしんどいやろうから、
あんまいじりたないねんけどさ。
最初の方からずっと出番あるもんな」
「確かに。
女の方は後半に出番がちょろっとあるだけやから
正直
問題は男っすよね。
まっさんとか頼んだら出てくれるんちゃいます？」
リ「いや、けっこうキビいと思うで？
役員交代と学祭公演の準備もぼちぼち始まるし、
2,3年もしばらくは忙しなるやろうから」
「そうなんや……」
健「ってか、たいせーがやったらえぇやん」
「え、俺！？」
いきなりとんでもないこと言い出すこじけんに
思わず顔をあげたら、
誠「あ、それえぇやん。大晴やりや」
って誠也くんもあっさり納得しちゃって。
え、ちょっと待ってや。
「え、ほんまに俺が役者やるん？」
健「おん。だって台詞全部入ってるやろ？」
「そらそうやけど。けど、俺演技とかやったことないし」
健「大丈夫やって。思い出せ、あの大爆笑の文化祭を」
「いや、あれはほぼアドリブやったやん……」
自信が持てへんまま目線うろうろしとったらユキさんと目が合う。
え、めっちゃ目ぇキラキラしてんねんけど。
結「“キセキくん”、本当は大晴くんをイメージしてたの。
……って言ったら困る？」
「えっ……」
そんなん反則やろ。
そんなあざとい上目遣いで、そんな台詞言われてもうたら。
「……分かりました、やります！」
リ「お、チョロかったな」
健「よう言ったたいせー！それでこそ漢や！」
はぁ……、惚れた弱みってほんまにズルいわ。
どうなっても知らんで、マジで。
〇17歳はオトナビタガリ(後編)-Green→←〇ときめきは突然に(前編)-Purple
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作者名：マリア | 作成日時：2023年9月4日 20時
