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結「……ごめんね、本当は裏方専門だったのに
役者までお願いすることになって」
「いえっ、まだ全然できないから
みんなに迷惑かけてばっかりで、申し訳ない、です」
稽古中も噛むし、
うまく動けないし、
「大丈夫」って言ってくれるけど
だけど、やっぱり申し訳なくて。
結「……実はね、私も去年の新入生公演出たんだけど
やっぱり役者って難しいなぁって(苦笑)
だから、エリーちゃん頑張ってるの見てたら
他人事になれなくて」
「え、結城先輩も出たんですか？」
結「うん、去年夏旅行まで行って辞めちゃった子がいてね？
ピンチヒッターとして急に」
「どう、どうだったんですか？」
結「女の子を綺麗にする魔女って役だったんだけど、
メークするシーンがあってそこは苦労したかなぁ。
キク子や
『そうじゃない！』って怒られてばっかりだった(笑)」
「へぇ、結城先輩もすっごくメーク上手そうなのに」
結「ふふ、ありがとう。
実は、その舞台終わってからメイクを始めたから
私は今でも全然詳しくないんだよ？」
「なるほど、」
つまり、素材がいいということでしょうか神様。
真っ白な膝を体育座りで抱えて
照れくさそうに笑ってる結城先輩がかわいすぎて
今ガバッ！ってハグしたら
多分、彼氏気分になれると思う。
……いや、そんなことしたら大晴くんに怒られるかな？
結「どうかした？」
「あ、いえ！結城先輩やっぱりかわいいなと」
結「……前から言おうと思ってたんだけど、
エリーちゃんはユキって呼んでくれないの？」
「へ！？」
どどどどうしましょう神様。
急に膝にぷにってほっぺた乗っけて上目遣いでこっちを見てます。
かわいいです！
「ど、どうしてですか」
結「だってずっと『結城先輩』だから。
私にとってエリーちゃんは
大切な女の子の後輩だし、
もっと仲良くなれたらなぁって思うじゃない？
ほら、キク子には『キク子先輩』だし」
「そ、それはキク子先輩って呼ばないと
すっごく、キク子先輩拗ねちゃうので……」
結「はは、キク子らしい(笑)」
「あ、あと私なんかが『ユキさん』なんて
おこがましいと思ってま、す」
結「おこがましいなんて全然ないよ？
私、けっこうチョロいよ？」
「チョロいなんてそんな！」
こんな完璧美人さんなのにそんな
「チョロい」なんて結城先輩が言うんだって。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年9月4日 20時
