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健「おっ、いるかショーあるやん。これ見ようや」
大「えぇなぁ！俺あれ見たい。ペンギン行進」
健「よし、じゃあそれも見よ」
前の2人がわいわい話してるのを
元気だなぁって聞いてる私と、
螢「……」
隣でだんまりになってるほたるちゃん。
ちらちら前を見ては手をぎゅって握りしめて
分かりやすーく緊張してて、
健「なぁ、ほたるは見たことある？」
螢「……えっ、なにが？」
健「おい、聞いとけや(笑)」
螢「あ、ごめんなさい、」
大「俺らだけ盛り上がってたもんなぁ。
ごめんな、ほたるちゃん」
螢「えっ！あ、名前、憶えててくれたんですか？
大晴先輩」
大「当たり前やん(笑)
いっつも元気なほたるちゃんやろ？」
バックミラー越しに笑う福本先輩を見て
ほたるちゃんはまた服握りしめるから、
「ほたるちゃん……、服、皺になるよ？」
螢「あっ、うん、」
慌ててワンピースを裾を伸ばしてる
ほたるちゃんのほっぺは真っ赤。
誘ったのは私だし、ほたるちゃんも分かって来てるけど
ほんまに大丈夫かな？
それくらいほたるちゃんは、分かりやすい。
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螢『うちね……、大晴先輩が好きなんよ』
『うん、わかる』
螢『へ！なんで！？』
『だって分かりやすいもん(笑)』
福本先輩が遊びに来た時のほたるちゃん
ずっと目で追ってはきゃ！ってなったり、はわ！ってなったり
ひとりで百面相してるから
見ててこっちまで甘酸っぱい気分になるし。
2年から演劇部に入ったほたるちゃんが
福本先輩に恋をしたのは2学期くらいで
でも福本先輩は進学クラスにいたから
3年になったら遊びに来ることもほとんどなくなって
ほたるちゃんの淡い恋は
消化不良のまま終わった。
やから、今日の水族館の話が出た時に
ほたるちゃん誘おうって思って。
私の気持ちを知ってるのも、ほたるちゃんだけやったし。
大「具合悪なったら言うてな、ほたるちゃん」
螢「は、はい！」
健「はは(笑)ほたるめっちゃ緊張してるやん(笑)
たいせーの運転が悪いんちゃう？」
大「あぁ？今すぐ降ろすぞ健ちゃんだけ」
健「いやぁん」
大げさに身体をくねってる小島先輩を見てたら
急にくるっと振り返ってきて、
健「あ、よっしーも具合悪くなったら言えよ？
3秒以内に言え」
「それもう具合悪いかどうかわかってないと思いますけど」
健「あ、今俺めまいが」
「前向いてください酔いますよ」
まったく。
この人は全然変わらないのに。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年9月4日 20時
