〇一夏のカクシゴト-Purple ページ26
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―えぇっ、部長にそんなん言われたん？
それ絶対よっしーのこと好きやん！―
「ちょっ、ほたるちゃん声大きい」
高校の最寄り駅でオープンキャンパスでのことを
演劇部の友達であるほたるちゃんに話したら、
螢「えぇなぁ、うちもそんなん言われてみたい♡」
ってキュンキュンするのはえぇけど
バシバシ腕叩かれるのは地味に痛い。
「うーん、でも小島先輩のことやから、
『可愛がってる後輩が俺より先に恋人作るのが辛い』って
可能性もあり得そうやなって」
螢「えー、そうかなぁ？
『誰かにあげたくない』ってバリバリの独占欲やと思うけど。
けど、確かに部長変わってるから
よっしーがそう思うんも分かる」
「でしょ？」
螢「大会の時とか部長目当てのお客さんもおったけど、
基本みんな友達やったもんね。
「カッコいい！」って言ってたお姉さん達も
最後は「小島くん面白い」に感想変わってたし(笑)」
そう言ってけらけら笑うほたるちゃんの爪先には
今日は綺麗にネイルがしてあって。
可愛いなぁ。
つい、何もしてない自分の爪と見比べてしまう。
私ももっと可愛くしたらよかったかな。
なんて今更やけど。
せっかくならお洒落しなきゃ！って
ほたるちゃんと一緒に買った
デニム生地のワンピースも慣れなくてまだわそわするし。
螢「あっ、あれやない？」
ロータリーに入ってきた車が近くに停まったら
助手席の窓がゆっくり開く。
健「おはよーさん」
「おはようございます。
小島先輩、やんちゃなサングラスですね……」
螢「おひさしぶりでーす！部長カッコいい！」
健「相変わらず元気やなぁほたる(笑)
ほら、はよ後ろ乗り」
螢「はーい！行こ、よっしー」
「うん、」
ほたるちゃんに手を引っ張られて後ろに乗り込んだら、
小島先輩とお揃いのサングラスをした福本先輩が振り返る。
大「おはよ！遅なってごめんな」
健「ほんまそれ。たいせーが道忘れたとか言うから」
大「だってしゃーないやん！
車で学校の近く通らんからちょっとバグんねんて(笑)」
健「はいだめー。
遅刻した罰として水族館で全員分アイス奢りな」
大「はぁ！？こじけんは共犯やからいらんやん！」
健「アホ、いるに決まってるやろ！」
「2人ともケンカしないでください」
わぁわぁ一通り騒いで、ようやく車にエンジンがかかる。
大「じゃあシートベルトしといてな。行くで！」
健「水族館へしゅっぱーつ！」
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作者名：マリア | 作成日時：2023年9月4日 20時
