◆とんだ巻き込まれ事故part2 ページ22
・side.Ellie
ある日の部活前。
「……へ、今、なんと？」
健「え、やから俺らと一緒に
エモくてアゲでキュンでアツい夏の思い出作ろうぜ☆って」
「いや、もっと具体的に」
大「えっと、つまりやな。
新入生公演に役者として出てほしい……ってことで」
「へ、」
部室について早々、
大晴くんとこじけんくんに取り囲まれて
とんでもないお誘いを受けました。
「な、なんで私？」
大「ほら、元々やる予定やった子がさ。な？」
「あ、うん。それは聞いてるけど……」
誠也先輩に曰く、『現代版B級ロミジュリ』とかなんとか。
ちらっと話を聞いてたら
正門先輩の「ブス」発言がどうやらきっかけになっちゃったとかなんとか。
だから辞めちゃったのは仕方がないんだけど。
「でも、キク子先輩が代わりに入るって」
大「いや、そのつもりやってんけどさぁ、」
菊「ごめんエリー、うち8月の後半2週間合宿免許取りに行くねん」
大「……と、いう訳でして」
「ひぇ、」
3年の先輩たちは学祭公演の準備とかインターンとかで忙しいみたいで
指導には入れるけど
役者として稽古を積む時間が取れないらしく。
だから、私に。
健「どうやろ？」
「む、ムリムリムリ！私、だって、全然、演技なんて」
大「言うとくけど、俺も初心者やで？」
「大晴くんはイケメンだからいいの！！」
大「あ、ありがとう(笑)」
「無理だよぉ……」
どうしよう、想像しただけでお腹痛い。
菊「ごめんなぁ、こじけん。大晴。
やっぱりうち合宿キャンセルしよか？」
健「いやそれはあかんっしょ？
もう代金払ってんねやろ？」
菊「でもなぁ、」
心配そうな顔してキク子先輩と目が合う。
確かに、免許合宿は取り消してほしくない。
だけど、だけど。
ガチャ、
良「おぉ、なに。どうしたん部活前に」
後ろのドアが開いて
のんびりした正門先輩の声。
健「あ、まっさん。
新入生公演の代役のことで、今エリー口説いてた」
良「あぁ、キク子結局ダメやったん？」
菊「ごめぇんまっさん、うち免許取り行くねん」
良「あららぁ、そりゃ頑張らななぁ」
菊「免許取ったら2年でドライブ行こな」
良「キク子以外運転したい人おるんかいな？」
菊「え、まっさん持ってる言うてたやん」
良「ふふ、俺はペーパー♡」
菊「うわぁぶりっ子して言う事ちゃう♡」
楽しそうな先輩方のお話も右から左。
どうしよう、
やっぱり、役者なんて無理だよ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 142人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：マリア | 作成日時：2023年9月4日 20時
