〇サプライズ？orハプニング？(後編)-Red ページ19
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ぽこん
こじけんあだっちー、今終わったわ。最寄り駅まで届けるから迎え来れる?
ようやく、やっと来た……。
もはや待ちすぎて疲れちゃってちょっとぐったりして
「わかった」ってこじけんに返してから
最終チェックでお部屋を見る。
洗濯物よし、
お茶わんよし、
小物も片付いてよし、
「……ふぅ、」
今から、ここに誠也くんが来る。
ちゃんと言葉にしたら心臓がバックバクで
やっぱりお泊りだけは避けてもらえるように
言ってみようかな。
なんとなく心に決めながら
ぽやぽやする頭を、しっかりしなさい！って叩いた。
「あ、そろそろ行かなきゃ」
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・
健「あ、あだっちー夜遅くにすまん！」
「お疲れこじけ、……それ、誠也くん？」
健「まぁ、『だったもの』と呼んでも今なら差し支えないかと」
誠「こじまぁ〜♪」
とろんってした顔の誠也くんが
こじけんに抱えられてる、いや、抱きついて、る？
今まで一回も見たことない誠也くんに
本当に誠也くんか自信がなくなってくる。
健「いやぁほんまは家まで連れて帰りたかったんやけど
大学近くに住んでるヤツはそれぞれ分担で
ブルーシートやらクーラーボックスやら持って帰らなあかんくて。
誠也くんまで持って帰れへんから。
ほんまごめんな？」
「いや、それは、しょうがないよね……」
健「と、いう訳でこれ貢ぎ物」
「あ、ありがとう」
ビニール袋を渡してから
「じゃあ、あとは頼んます」って深々と頭をさげて
やだやだごねてる誠也くんを引き剥がしてから
こじけんは帰っていった。
それで、残された誠也くんはというと。
誠「うぅ〜……」
「せ、誠也くん？」
眠そうに目を擦りながらゆっくり前後してる。
あ、これ、あかんかも知らん。
ここで寝たらもう絶対私1人じゃ連れて帰れへん！
久しぶりに会ったね、とか楽しかった？とか
何話そうなんて考えてたこと取りあえず全部後回しで
まず誠也くんをお家まで連れて行かなきゃ！
「誠也くん、私だよ。分かる？」
誠「ん？んん……、あ、」
「Aやぁ」ってあまぁい声でにこって笑った誠也くんに
きゅん、とはするけど
今はそれどころやない。
「誠也くん、お家帰るよ。一緒に帰ろ」
誠「うん。A、つれてかえらなあかん」
「え、いやどっちかっていうと誠也くんが、」
誠「ちゃぁんと手、つなぐんやで？」
「え、」
赤くなった手が自然に私の手を握った。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年9月4日 20時
