キミに恋するワンシーン！第3章！ (ページ14)

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〇ただ、どうしようもなく好きだから。-Orange ページ14

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誠「たいせぇ！楽しんでるかぁ！？」

「はーい(笑)もう誠也くんバカ飲みますやん(笑)」

誠「これに関してはキク子とぉ、小島がまぁじで戦犯やから」

健「知らん知らん、ジュースやと思って勧めたのに

　勝手にキク子さんがカシオレとすり替えよったから」

菊「はっはぁ！だぁまさぁれたぁ誠也せんぱぁい！」

誠「お前らマジでぶっ潰すでぇ？」

無法地帯すぎるブルーシートの一角で

先輩らにまじってバカ騒ぎして。

あーぁ、こじけんやないけど

俺も、酒飲めたらよかったのになぁって。

1時間くらい前、上機嫌なキク子さんに呼ばれて

多分、ユキさんの浴衣姿見せたくて呼ばれたんやろうけど

菊『あ、……やっぱえぇわ』

『はぁ？なに？』

急にぐいっぐい向こうに追いやられようとして

なんやねんって振り返った視線の先で

まっさんにほっぺた撫でられて、

嬉しそうにしてるユキさんが見えた。

……あんな、かわいい表情するんやな。ユキさん。

どう見てもお似合いのカップルにしか見えへん

浴衣姿の2人に

割り込む勇気はなくて、

かといって、ただ見てるのもなんかしんどくて

キク子さんに追いやられた先で

誠也くん達と騒いで。

―やっぱユキと正門ってお似合いやなぁ―

―まだ付き合ってへんの？―

―でも、2人ともあれやろ？身体だけの関係とか―

―あぁ……そういう？―

ちら、と聞こえた先輩らの噂話も

聞いてないフリして。

つまり、逃げた。

あかんよな、頑張るって決めたのに。

俺、なにひよってんねん。

紙コップに残ったオレンジジュースを飲みほして

ブルーシートをぐるっと見る。

屋台行ったりしてる人もおるから

だいぶまばらにはなってるけど

端っこではエリーとまっさんが

めっちゃ近い距離でなんか話してて。

いや、待てまっさん。

ユキさんどこ連れてったん？

誠也くんにバカ飲まされてたから

顔デレデレしてるまっさんにユキさんのこと聞くのは癪で、

もう一度ブルーシートの周りも見回す。

そしたら、

一角の陰になってる木の裏に

浴衣の裾が、少しだけ見えて

誠也くんたちに捕まらんよう靴を履いたら

木の後ろ側に回った。

「ユキさん？」

結「あ、大晴くん」

俺らから隠れるみたいに木に寄りかかってたユキさんは

俺を見て、少し眉をさげた。

まるで、待ち合わせに違う人が来た、みたいな顔して。