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結「うん、うん……え、辞めちゃったの？
分かった、終わったらすぐ戻るから先に……、うん。
ごめんね、大晴くん」
ん？
今「大晴くん」って言った？
大晴くんって、あの大晴くん？
俺の恋のライバルの大晴くん？
結「晶哉ごめんね。受付終わった？」
「えっ、あ、今から行くとこ。一緒行こ」
まぁ、気になるとこはあったけど
今度こそ受付のお兄さんお姉さん達にこんにちはして
パンフレットとかもらって大学ん中に入る。
ほんまはもう受ける学科も決まってるし
あんま見学することもないねんけどさ、
Aちゃんが「来るなら案内するよ」って言ってくれたから
これは“Aちゃんとの大学デートの予習”ってことで。
ごきげんに歩きながら横向いたら
Aちゃんはじっと何かを考えこんでる
「Aちゃん、どうかしたん？」
結「ん？あ、ごめんね。大丈夫」
「ウソ、Aちゃんのその顔は絶対なんかあった時の顔やもん。
あかんよ？俺に嘘ついたらちゅーするよ？」
結「うふふ、晶哉は優しいね」
「そうやで？
俺はAちゃんのことならなんでも分かる優しい男の子やから」
まぁ、ほんまはちゅーもしたいけど。
「何があったん？」
結「うん……9月に新入生公演があってね？
その稽古を今やってるんだけど
急に2人、部活を辞めちゃったみたい」
「えぇ！？いきなり？」
結「うん。しかも2人とも役者の予定だったから、
多分脚本もいじらなきゃいけなくなるだろうなって」
「新入生公演ってことは入ったばっかの子やんな？
なんでなん？部活嫌やったんかなぁ」
結「あー、それがどうも……付き合った？とかなんとか」
「え、なんやそれ」
付き合ってそのまま退部って、
そんな駆け落ちみたいなことあるん？
「演劇部って恋愛禁止やったっけ？」
結「そんなことはないんだけどね……。
でも女の子の方はちょっと……うん、」
あ、なるほど。
Aちゃんが言葉を濁すってことはつまりそーゆーコトで。
もしかしたら辞めるんも想定済みやったんかな。
だっていきなり聞いた割には落ち着いてんねんもん。
結「晶哉、今から体験講義だよね？その間よかったら、」
「えぇよ、部活行ってき？Aちゃんの出番なんやろ？」
結「うん。ありがとう晶哉。終わったら迎えに来るから」
「うん、えぇ子で待ってる」
やば、今日の晶哉くんめちゃくちゃ大人過ぎひん？
◆とんだロミオとジュリエット→←〇17歳はオトナビタガリ(前編)-Green
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作者名：マリア | 作成日時：2023年9月4日 20時
