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あ、なんやその話か。


めっちゃ深刻そうな顔するから何やと思ったけど

理由が分かったらむしろハズくて。


こじけんから聞いたんかな?


今更大泣きしたこととか話すんイヤやなぁ(笑)

とかぽりぽり頭掻いてみる。


誠「その、色々大丈夫やったん?メンタルとか」

「まぁ、直後はだいぶ凹みましたけどね(苦笑)

 けどあの後まっさんとも話して、一応納得はしたというか」

誠「そうか……、お前だいぶ大人やってんな」

「そんなんないっすよ(笑)

 ふつーに泣きましたもん、しんどすぎて」

誠「そら屈辱的やったやろ」


誠也くんめちゃめちゃ親身に話聞いてくれるやん。

え、こんな優しい先輩やったんやなぁ。


誠「けどまぁ、大晴の涙が回り回って

 部活の為にもなったから今回は多目に見たってくれへん?」

「え?あれって部活公認なんすか?」


まっさんとユキさんのことみんな知ってんねや。

リチャ君もまっさんには気ぃつけろって言うとったしな。

けど、俺やってこんまま引き下がるつもりないし。


「あの、誠也くん」

誠「なに?」

「俺もやられっぱなしはイヤなんすけど」

誠「え?まぁ、それはえぇことやけど……その、需要が」

「確かにユキさんとまっさんみたいな美男美女カップルの

 需要はないかも知れへんけど!

 目の前でキスされて黙っとけないんすよ、俺も男やから」

誠「は?キス?大晴何の話してんねん」

「え?」

誠「え?」


一瞬、ぽかんと時が止まる。


え、誠也くん何でそんなきょとんとしてるん?


「え、俺が千秋楽のミーティングばっくれた理由

 聞くために呼んだんでしょ?」

誠「いや、俺そんなつもりで呼んでないねんけど」

「え?」

誠「え?」

淳「おーい、揃いも揃っておまぬけな顔しとんで(笑)」


カップを拭いてた淳太さんがけらけら笑う。


「?」状態のまま誠也くんの話聞いたら

どうやらお互いにめちゃくちゃな勘違いしとったみたいで、


「あぁ!まっさんに女装させられたやつか!」

誠「『あぁ!』って!もっと疑問持てや!」

「え、だってまっさん、

 『大晴、これは世直しや。人様のためなんやで』

 って言うてたし」

誠「はぁ、あかん……。

 来年うち諜報部に部名変わりますわ、淳太くん」

淳「マジか、正門くんも遣り手やなぁ。

 まるでどっかの規律委員やん(笑)」


けらけら笑てる淳太さんの前で

でっかい溜息と一緒にテーブルに伸びた誠也くんが

じとっとした目で俺の方振り向いた。

・→←◆“狂犬”部長様のお呼び出し



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作者名:マリア | 作成日時:2023年8月18日 15時

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