◆“狂犬”部長様のお呼び出し ページ41
・side.Taisei
誠也くん水曜日部活前に部室に集合。
ようやっと長かった前期考査も終わって
開放感に満ち溢れとったのに
突然、誠也くんからそんなLINEが届いて、
「え、俺なんかしたっけ……」
あかん、まったく心無い。
でもあの誠也くんやからな、とか
色々考えとったら追い打ちかけるみたいに、
誠也くんあ、小島呼ぶの禁止な。めんどいから。
「えぇ……、めんどいってなに……？」
謎の「こじけん封じ」までされて。
まさか、誠也くんの気まぐれで演劇部クビとか……？
なんてビビりにビビりまくって
いざ当日、一応襟のついたシャツと軽めのジャケット着て
12時5分前に部室のドアを3回ノックしたら、
誠「……え、バイトかなんかの面接？」
俺を見るなり怪訝な顔する誠也くん。
誠「俺、飯行こうって誘ってんけど」
「え、めし？」
「あれ？言うてなかった？」ってすっとぼけてますけど
いやいや、一言も書いてへんかったから！
いきなり「集合」とだけ書かれた文面送られてきてん！
そら警戒もするやろ！
……なんて、誠也くんには当然言える訳もなく。
誠「よし、ほんなら早よ行くで」
ほっとする半分恨み言半分で誠也くんの後ついて行ったら
洒落た感じのカフェに辿り着いた。
誠「ここ、俺の行きつけやねん」
「へぇ、めっちゃおしゃれっすね！」
誠「やろ？店長のこだわりやねん」
ふふん、ってまるで自分のことみたいに自慢げに話す誠也くん
めっちゃかわえぇ(笑)
意外にこーゆーとこあるよな、誠也くんって。
カランカラン、
―いらっしゃい、って、すえ今日も来たん？―
誠「いや一昨日きたばっかやないっすか(笑)
あ、紹介するわ。
こん人が店長の淳太くん。演劇部のOBやから」
淳「初めまして。もしかして新入生くん？」
「あ、初めまして。福本大晴です」
淳「大晴くんかぁ、よろしくな」
人のよさそうな淳太さんに案内されてカウンターに座ったら、
誠也くんのおすすめやっていうランチプレート頼んで。
デザートも美味しそうやなぁってメニュー見とったら、
誠「今日は俺のおごりやから何でも頼んでえぇで」
「えっ、なんで！？」
めっちゃ怖いねんけど。
いよいよ俺、退部……？
無意識に襟正しまくってた俺の様子に気づいた誠也くんは
はぁ、ってでっかい溜息ついて、
誠「……その、正門の件で色々大変やったって聞いたから」
「え？」
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作者名：マリア | 作成日時：2023年8月18日 15時
