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どこかモヤモヤする気持ちで目の前の2人を見ていたら、
良「あ、ちなみに俺が結城にかまうんは
“顔がえぇから”やから。
さっきの悪口言うてるお嬢ちゃんの顔やったら
俺一生かまわんと思うで、ブス過ぎて」
「……え、」
あれ？
けらけら楽しそうに笑ってるけど
今、正門先輩さらっととんでもないこと言ったような。
―……え？ブス？―
良「そ。やっぱ結城って美人なんやなってよぉ分かったわ(笑)」
にっこりいつもの笑みを浮かべたまま
そう言い放った正門先輩。
―ブス……―
10秒くらいぽかんとしてたその子は
「はぁ！？！？」って急に顔を真っ赤にして立ち上がって、
―ふっざけんな！このバカ面食い！！―
きゅるきゅるしてた顔を般若みたいにして
そのまま走って出て行っちゃった。
良「ふっ、……こっわ(笑)」
全然、心にも思ってなさそうに呟いて
正門先輩がその子の座ってた椅子に座るから
自然と距離はお隣同士になって、
「あっ」って急にそわそわする。
良「面食いやって、そんなんお互い様やのにな？」
「あ、えっと、その、」
どうしよう、なんて答えたらいいんだろ……。
上手な返事が思いつかなくておどおどしてたら
ぽふ、と頭に乗っかる正門先輩の手。
良「ふふ、ごめんごめん(笑)
ずっと横で困っとるエリーちゃんがかわいかったから
ついイジワルしてもうたわ」
「えっ！」
そんな、にこにこ笑いながら「かわえぇなぁ」って頭撫でられても
私の頭ショート寸前です……。
ぽふん！って頭から熱が出そうなくらいクラクラする私を見て
ふふ、って優しく目を細める正門先輩。
良「なぁ、エリーちゃんは結城のこと嫌い？」
そう尋ねた声に、なぜか胸の奥がきゅっと切なくなる。
「えっと、その……綺麗な人だなって、思います。
だけど、綺麗すぎて壊れちゃいそう、とも思います……」
まるで雪みたいに繊細で、
触れたらすぐに溶けてしまいそうな人で、
良「……そっか。
よかった、結城のことそう思うてくれる人がおって。
あの子も容姿絡みで色々あったからさ、
やから今でもつい、かまい過ぎちゃうねんけど。
エリーちゃん、これからも結城と仲良くしてあげてな？」
「あっ、……はい」
こくり、と頷いた私の頭をもう一度撫でて
「じゃあ、テスト頑張ってな」って正門先輩は帰っちゃって。
また1人になった部室は
さっきより、なんだかずっとモヤモヤした。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年8月18日 15時
