〇キミと夏とこいこがれ-Red ページ33
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健「たいせー、このプリント見してや」
大「待って、俺今やってるからあだっちーに頼んで」
健「あっそ。じゃあ、阿立様仏様ビリケン様。
どうかこの小島健にプリントを見せていただけないでしょうか？」
「ふふっ、はいどうぞ(笑)」
健「ははっ！有難き幸せ」
大「おい待て、俺にはそんなん一個もなかったやん！」
健「そら当たり前やろ、俺とお前やぞ？」
大「はぁ！？意味分からんって！」
初めての考査が近づいてきて、
同じ学科の大晴くんとこじけんと「勉強会やろうや！」って
カフェテラスでノート広げながら
分からないところを教え合ったり、
けど、気づいたら2人がふざけてたり。
いいなぁ、こういう感じ。ってついほのぼのしちゃう。
大「あだっちーは夏休みどっか行くん？」
「うん、一週間くらい家族旅行に行く予定」
健「え、どこ行くん？」
「確か、沖縄かバリかハワイって言ってたような、」
健「うわ、やっぱ規模ちゃうな(笑)」
大「誠也くんもそうやけど、
お金持ちの人ってサラッとすごいこと言うよな(笑)」
「え？」
けらけら笑ってる2人に首を傾げてたら、
「で、誠也くんとはいつデートするん？」って
こじけんが急に言い出すから、
「で、デートなんて、誠也くんはただの」
健「幼馴染や、とは思ってへんクセに」
「うぅ……。それはそうやけど、」
私だって、本当はお出かけしたいもん。
8月は誠也くんのお誕生日だってあるし
できれば一緒にお祝いしたいけど、
思ってるだけで、まだ誘えてはなくって。
健「あーぁ、あだっちーも花火大会来れたらえぇのにな」
大「えぇなぁ。
けど来たら来たで誠也くんめっちゃ大人しくなりそうちゃう？」
健「あ、そらあかんわ。
あん人は酒飲ましてからがスタートやから。
『カッコつけとる末澤誠也は需要ない』って言うとったしな」
大「それ誰が言うてん(笑)」
健「キク子さんとたつさん」
大「うわ、めっちゃ言いそう(笑)」
いいなぁ、花火大会……。
2人の話だと、どうやら私は花火大会にはお呼ばれされないみたいで
ちょっぴりいじけてたら、
健「あ、じゃあドライブ来ればえぇやん」
大「あっ！そうやん、忘れとった！」
「ドライブ？」
大「おん、誠也くんの誕生日に海行こって話してん！」
「えっ、行きたい！」
お出かけとお誕生日のお祝いが一緒にできる
夢みたいなハッピープランに、
思わずぐいっと身を乗り出してた。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年8月18日 15時
