★〇17歳の純情とは‐Green ページ4
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佐野晶哉、まだまだお子ちゃま17歳。
今の感情がうまく整理できてません。
―えー、今日の反省やけど……―
公演終わりのミーティングしてる端っこの方で
大人しく座って必死に考えるけど
気持ちも髪の毛もぐしゃぐしゃなままで。
その、舞台はほんまに良かったよ？
それは間違いないねん。
Aちゃんの脚本やからってのを抜きにしても、
大学生でこんな雰囲気のある舞台ができるんやって。
むしろあの年齢やからこその色気みたいなんがあって、
一言で言うたら……えっっろかった。
そう、“えっっろかった”んよ。
「はぁ……」
なぁ、Aちゃん。
なんであんな
……まさかAちゃんも、もう“ソウイウコト”してるん？
イヤやな、そんな目でAちゃんを見たないのに。
真剣に打ち合わせしてる横顔に向ける俺の感情は
間違いなく“嫉妬”ってヤツで。
こんな醜い感情ぶつけるくらいなら、いっそ帰ってしまおうか。
そう思ってバッグを取ろうとした瞬間、
―ほんなら明日の千秋楽も頑張りましょう！―
―お疲れ様でしたー！―
運悪くミーティングが終わってもうて、
慌てて椅子に“えぇ子”に座りなおす。
大「晶哉、またな！」
「あ、お疲れ様です！大晴くん」
わしゃって俺の頭撫でて帰ってく大晴くんを見送ってたら、
結「晶哉、お待たせ」
好きな人のシルエットをした影が差して、
できるだけいつも通りの
「Aちゃん、」
結「遅くなってごめんね。ご飯食べていく？」
俺を見ていつもの優しい笑みを浮かべるAちゃんに
胸の奥がくしゃってして、
つい、そっぽ向いてもうて。
結「ん？どうかしたの？」
……あぁ、こーゆーとこがまだまだ子どもなんやろな。
いくらカッコつけてみても、
背がおっきくなっても、
Aちゃんは2個上のお姉さんで。
俺の知らへんところで、
俺の知らへん表情して、
俺の知らへんコトやってるかも知らんけど。
結「晶哉？」
「……ううん、何でもない。
ご飯食べて帰ろ、お腹空いたぁ！」
結「ふふっ、分かった(笑)」
大丈夫。
俺は、俺の知ってるAちゃんを信じてるから。
今はただ無知なフリして笑っていよう。
いつかきっと追いついてみせるから。
それまでは。
無邪気な顔して手に握った俺を見て、
Aちゃんはお姉さんの顔して笑った。
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作者名：マリア | 作成日時：2023年8月18日 15時
