〇真夜中のサプライズ-Purple ページ27
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大事な期末テストを週明けに控えた金曜日の夜遅く。
苦手な英語の勉強が一段落して
ちょっと休憩……って机に伸びた瞬間、
prrrr prrrr
「えっ、だれ？」
もう少しで日付も変わるような時間に突然かかってきた電話に
ちょっと驚いて。
「えっ！」
『小島先輩』って表示された画面にもっとビックリして。
心の準備もできてないまま慌てて通話ボタンを押した。
「もしもし、吉澤です」
健『おぉ、よっしーやん』
「え、そうですけど」
逆に誰やと思ってかけてきたんですか、小島先輩。
健『元気してるん？』
「はい、一応元気です」
『そうかそうかぁ』なんてやけにニヤついてる先輩の声。
え、ほんまにどうしたんやろ。
健『なぁ、今絶対「何の用やねん」って顔してるやろ？』
「はい、すごく戸惑ってます」
健『やっぱりな(笑)』
「だっていきなりかけてくるから。一体何の用で」
健『じゃあクイズな。今、俺は誰といるでしょーか！』
「えっ？」
私の質問には答えへんまま急にクイズタイムが始まって、
健『ち、ち、ちちちちチーン！はいタイムアップー』
「まだ何も答えてないじゃないですか」
健『ほんなら答えは？』
「えぇ、……部活の人とか？」
健『おぉ、いい線行ってんな！不正解やけど』
「いや、違うんかい」
健『ちょーどさっき演劇部の打ち上げ終わってなぁ。
そうそう、俺ボーリング大会で優勝したったんやで』
「へぇ、それはおめでとうございます」
なるほど、だからいつもよりテンションが高い訳か。
なんて1人で納得する机の上には
参考書や教科書が開きっぱなしのまま。
……先輩もちゃんと大学生してるんだ。
なんて、ちょっぴりつまらない気分になっちゃって。
健『よっしーは何してたん？』
「勉強です。来週から期末テストなので」
健『そっか、大変やなぁ』
「えぇ、学生なんで」
あぁ、こんなかわいくない事言ったら
きっと電話終わっちゃうのに。
本当に言いたいことは電話越しでも言えへんくて、
健『なら、俺との電話でちょっと休憩な』
やけど、そんな私のめんどくさい気持ちを
この先輩はあっさり見抜いちゃうから。
「……ふふっ、小島先輩との電話は休憩になりません(笑)」
健『ひど、ほんならさっきのクイズ正解したらご褒美やるわ』
「えぇ、そんなん分かる訳」
大『こじけーん、シャンプー切れてんでー！』
健『……やっぱご褒美なしじゃだめ？』
「だめです(笑)」
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作者名：マリア | 作成日時：2023年8月18日 15時
