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正門先輩の口からいきなり発せられた物騒なワードに

別の意味で、きゅんって縮こまる心臓。


良「あっ、全然問題性はないねんで?

 ただ、この時期から入ってくる子達って

 七夕公演観て来る子が多いから

 役者目当てみたいな子も中にはおって。

 そういうんは後々トラブルにもなりやすいから、

 本気でやれる子か先に振るいにかける必要があんのよ」

「な、なるほど」

良「まぁ、やからエリーちゃんはせんでもえぇかなって。

 “正門推薦枠”とか言うて、

 先に入部させちゃおう思って勝手に連れ出しちゃった♪」

「え、それって大丈夫なんですか……?」


どうしよう、後々すっごく怒られたら。


それに、正門先輩は「大丈夫やろ」って笑ってるけど

私こそ役者目当てのような気が……。


絶対、「正門先輩に一目惚れした」だなんて

バレないようにしなきゃ。


自分にきつく言い聞かせながら歩いてたら、


良「着いたで、準備えぇ?」

「えっ、あ……っ」


空き教室の扉の前でまたカチコチになる私を

くすっと笑って正門先輩の手が頭を撫でる。



良「大丈夫、俺がちゃんと責任持つから。

 エリーちゃんはいつも通りしてればえぇよ」



……ふしぎ。


頭を撫でられてとってもドキドキしてるのに、

それとおんなじくらいすごく安心するの。


この人なら大丈夫、ってまだ出会ったばっかりなのにね。



良「大丈夫になった?」

「……はい」

良「ふふ、えぇ子。ほんなら行くで?」



勇気を振り絞って頷いたら、

正門先輩は優しく微笑んで扉に指をかける。



ガチャ、


―もー!イヤやってこじけん!―

―なんでやねん!ちゃんと聞いたらえぇやんか!―

良「何をやってるん、大晴とこじけんは(笑)」

―げっ、まっさんや―

良「おい何や。人の顔見て「げっ」って失礼な」


仲良くじゃれ合ってたお兄さん2人組が

正門先輩を見た瞬間、「あっ」ってそわそわしだす。


あっ、あのお兄さん確か公演の時に受付してくれた、


―あれ?まっさん、その子新入生?―

良「そうやで、エリーちゃんって言うの。

 みんな仲良うしてあげてな?」

―エリーちゃん?―


ま、正門先輩!

“エリー”で紹介しないでください……!!


「え、江里口Aですっ!

 江里口なので“エリー”と、正門先輩に呼ばれてます……」

―ん?自分、確か『欲動』観に来てへんかった?―

「あ、はいっ。受付でお会いしました」

―あぁ!やっぱしあん時の子か!―

・→←〇◆ドッキドキの部活デビュー!-Blue



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作者名:マリア | 作成日時:2023年8月18日 15時

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