〇◆ドッキドキの部活デビュー！-Blue ページ19
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「……頑張れ私、負けるな自分。ファイト！」
いつものおまじないを唱えて気合いを注入。
いざ！
トントントン、
3回ノックした「演劇部」って書かれた扉が
ガチャ、とゆっくり開く。
良「はーい。あら、エリーちゃん。こんばんは」
「こ、こんばんは」
良「ははっ、緊張してるん？(笑)」
けらけら笑う正門先輩にぽっと熱くなるほっぺ。
ただでさえ“初めての部活”って
心臓ドキドキの一大イベントなのに、
一目惚れを自覚してから初めて正門先輩に会うんだもん。
身体中、指の先までカチンコチンなのも
そんなのどうしたってどうしようもなくって、
良「そんな緊張せんでも大丈夫やで？
今日は新入生もいっぱいいてるし」
「はい……」
―正門、そろそろ末澤来んで？―
良「了解。ほんなら俺らは先に行こか？」
―あれ、そん子新入生ちゃうの？―
良「あー……まぁ、この子は“特別”ってことで」
中の人とお話してる正門先輩の綺麗な横顔をちらっと見あげる。
特別？
どういう意味だろ……？
なんて1人で首を傾げてたら、
「お待たせ」って荷物を持った正門先輩が出てきて、
良「案内しながら色々説明するな？」
「は、はい！お願いします！」
この間のとは違うデニムジャケットを羽織った
正門先輩の背中をを追いかけながら、
ずっと見てるのも恥ずかしいから部室棟をきょろきょろしてみる。
「文芸部」とか「美術部」ってメジャーなのもあるけど、
「シェイクスピア研究会」とか
「朗読劇愛好会」とか
さすが、芸能音楽学部なんて学部があるだけあって
お芝居や音楽関係っぽい部室がいっぱい。
あれ、「2.5次元舞台同好会」って何だろうすごく気になる、
良「エリーちゃん」
「はっ、ひゃい！」
良「ん？どうかしたん？」
「い、いいえなんでも！」
看板から慌てて目をそらしたら
振り返った正門先輩と目が合って、
それだけで胸がきゅんって音を立てる。
良「ごめんなぁ、1人やから緊張してまうよな？」
「いえ！むしろわざわざ案内していただいて、有難いです、」
良「ふふ、そう言うてもらえたら光栄です(笑)」
くしゃ、と目を細めて微笑む正門先輩。
あ、今の表情カッコいい。
なんてまたきゅんとしちゃう自分にまだ慣れなくて、
良「ほんまはな、今日から入る1年は
来る前にテストを受けなあかん決まりなんよ」
「えっ」
良「まぁ、テストって言うか実質“脅し”やねんけど」
「お、脅し……？」
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作者名：マリア | 作成日時：2023年8月18日 15時
