〇キミに、ちゃんと恋を。-Orange ページ17
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ぴぴぴぴ、ぴぴぴぴ、
「うぅ……るさ、」
セットしてるアラームを消したら
カーテン越しに明るいだけで目がぴりぴりする。
「……おきよ」
昨日、なんやかんや家ついてシャワー浴びたりしたら
気分もだいぶ落ち着いてきて、
あんな大泣きしてたんが嘘みたいに
しっかり冷食レンチンして食べて
今日の課題までしっかりやってから
あっさり寝てもうた。
「うわぁ……、目ぇあっか」
鏡に映った自分の目が充血しててちょっと萎える。
絶対こじけんに笑われるやん、サイアク。
せめて髪の毛くらいセットしてこ、とか
朝からこんなんしてるん我ながらちょっと偉ない？
昨日、割とボロッボロに失恋してんねんで？
「……俺、失恋したんよな」
うわぁ、言葉にしたらしっかりグサってくるな。
まだちゃんと引きずってるやんけ。
……けど不思議よな。
まだ全然ユキさんのこと大好きやねんけど。
むしろなんか自分の気持ちハッキリしたって言うか、
見た目とかだけやなくて
もっと性格的なとこまで大好きやったんやなって気づいた。
一目惚れやない、ちゃんと“恋”しよう。
ユキさんに振り向いてもらえるように。
俺、まだ何もしてへんやん。
そう思ったらめっちゃ前向きになれた。
「うわ、めっちゃ時間過ぎてる！」
気合い入れてセットしすぎた！遅刻する！
慌てて部屋を飛び出してチャリ爆漕ぎしたら、
6月のじめっとした暑さですぐ身体が汗ばんでくる。
「はぁ、髪の毛染めたいな……」
イメチェンしたらユキさん褒めてくれへんかなぁ。
とか妄想しながら駐輪場にチャリ置いたら
教室までめっちゃ走って。
そう言えばあの後、こじけんうまくやってくれたんかな？
「俺に任せとけ」とか言うとったけど
めちゃめちゃイヤな予感する。
どうしよ、
水曜の反省会で誠也くんにガチ説教されたら。
……え、それめっちゃイヤやねんけど。
眉間ピキピキさせた誠也くん想像して
苦笑いしながら教室飛びこんだら
センセまだ来てへんかったからまぁぎりぎりセーフ。
健「おはよーさん」
「おはよ」
阿「大晴くん今日の髪型カッコいいね」
「やろ？朝から頑張っちゃった(笑)」
あだっちーに褒められてニヤけながら
こじけんの隣に座った。
健「元気なった？」
「おん。ありがとうな、昨日」
健「おん。……集合写真撮った、とだけ言っとくわ」
「はぁ！？俺写ってへんやん！」
サイアクや！！
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作者名：マリア | 作成日時：2023年8月18日 15時
